免許取りたての時って不安だよねって話



2007年 5月



隼瀬と冬未は自動車学校を卒業し、免許を書き換えて以前から言われていた通り、暁美に買ってもらった車を取りに行き、そのまま初ドライブがてら実家へ向かう。そして今回、暁美も免許取り立ての2人だけじゃやっぱ心配だからと、自分の車を置いて、3人一緒にバスで来て、帰りは取ってきた車でとなっていた。



「ちゅうかあんた達、今更ばってんしゃんむりMTがよかったつね」



「「うん、せっかくそっちで免許取ったわけだし」」



「てかお姉ちゃん、よう今どきこぎゃん普通の乗用車で見つけてくれたね」



「まあ中古ならまだまだ残っとるけんね」



ちなみに今回、暁美が2人に買った車は5年落ちで1600cc、サイズは3ナンバークラスの5人乗りの普通のセダンである。そして維持費も2人がまだ高校生の今のうちは彼女が負担する事となっており、助手席の冬未も本当にありがとうございますと頭を下げる。



「まああんた達ん為に私が勝手にするこっだけん・・・隼瀬、運転どぎゃん?」



「なんか教習車より半クラの感覚もつかみやすくて乗りやすいかも。てか僕も冬未もバイクで道自体は慣れとったけん、車んなると楽てしか思わんね」



「そっか、ばってん気ぃ付けてよ」



「うん、ほんでそろそろ冬未変わろか」



「うん、そん為にわざわざまっすぐ行かんで遠回りしよるわけだしね」



というわけでコンビニに寄ってから冬未に運転を代わって、暁美が助手席に回り隼瀬が後ろに乗る。



「隼瀬も冬未ちゃんも初心者マークにしちゃ上手かね、いっちょん変速ショック感じん」



「まあ車校でもなんかすぐ慣れたしね」



「後半の方は僕達、教官達と半分遊びでバックでS字とかクランクとかサイドブレーキなしの坂道発進も練習しよったもんね」



「ほー、やっぱすぎゃーねあんた達。なんかそぎゃん心配いらんだったかも」



「「んねんね」」



「やっぱ免許取ったばっかで不安も多少あるし、私もお姉ちゃん横おってくれて心強かよ」



「うんうん、僕と冬未2人だけだとやっぱえすかったろし」



「そっか、まあ2人ともさっき免許取ったばっかだしね」



自分が車の免許を取った18歳の頃を思い出し、あん時も私先に二輪は持ってたけど、車の免許を取って初めて乗った時はいきなり1人だったのもあってちょっとは不安だったなと、だからこそ今の2人は私がいて安心してくれてるんだなと思う暁美。して、しばらく走ってそのまま冬未の運転で実家へ到着。すぐに親達も出てきて、車を取り囲む。



「冬未ちゃん、ピタっとまっすぐ止めて上手かね」



「まあこっち(斎藤家側)の駐車場広いけん。そういやこれ最初にお姉ちゃんに見せられた時思ったばってん、お義父さんも昔これの前ん型かなんかだったよね?」



「え、あー、そうだ。そうそう、これのオートマのやつ。よう覚えとんね・・・」



そしてしばらく車談義が続き中々家の中へ上がらない家族達であった。

















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