お祝い会



結婚式、披露宴も大成功に終わった後、いつもの教室に戻って、隼瀬、冬未、咲良、充希もいつもの制服に着替えて改めてクラスメイトと担任の芙美子に祝われる隼瀬達。



「「「「「みんな、ありがとう」」」」」



「本当に、私ん事もいっぱい祝ってくれて・・・」



初めて会うような子にも、はたから見たら変な結婚を受け入れてくれて、みんなおめでとうと心の底から祝福してくれて感涙する暁美である。



「いえいえ、いつも隼瀬ちゃん達にはようしてもろてますから」



「本当ね、困った時隼瀬も冬未ちゃんも、いいんちょも充希もすぐ声かけてくれるもんね」



「それに愛の形なんて人それぞれあるんだし」



「うん、俺が隼瀬でも同じ道選んだと思う」



皆の暖かい言葉に、隼瀬も冬未も本当にこのクラスで、皆がいてくれてよかったとまた涙腺が緩んでいき、今日はよう泣くねと笑う友人達。そして、そんな暖かい心を持ったクラスメイト達はやはり、今日初めて会う隼瀬のもう1人の妻、暁美に興味津々で話しかけてくる。



「お姉さん、凄い美人ですよね。隼瀬ちゃん可愛いし当たり前か」



「んねんね、そぎゃん美人とか・・・てか女子は皆、隼瀬ん事ちゃん付けで呼ぶとね」



「はい、隼瀬ちゃんが前にそうしてくれって言うて。冬未も許してくれてますし、お姉さんが嫌なら変えますけど・・・・・・」



「なーん、隼瀬がよかならよかたい。あれ、そこのあなた、あおちゃん?」



「はい、覚えてましたか」



「隼瀬達の友達は忘れんよ。わぁ、幼稚園の時以来ね。おおきなって」



「ふふ、はあちゃんより大きくなっちゃいました」



「あおちゃん、僕も身長気にしとっとだけん」



「なん、可愛いけんよかでしょ、ねえお姉さん、ふうちゃん」



「「うん、私達の可愛い婿さんたい」」



そう言って皆の前で妻達にわしゃわしゃとされて恥ずかしそうにする隼瀬。そして、もう1人の幼なじみ、育美も輪に入ってくる。



「おお、なっちゃん!懐かしかね」



「お久しぶりですお姉さん、それかはあちゃんの奥さんだし名前の方がいいですかね?」



「よかよか、そぎゃん気ぃつかわんで」



「ふふ、昔会った時と変わってませんね。あん頃も「大事な弟ばどこの馬の骨ともわからん女にはやらん」とか言いよって、まさか本当に結婚まで・・・」



「そうね、まさか私も本当に弟・・・隼瀬と形はどうあれ結ばれるなんて思わんだった。ばってん冬未ちゃんがこぎゃんしようて言うてくれたけんね」



「ふうちゃんははあちゃん独り占めしたくなかったと?」



「なんかねえ・・・お姉ちゃんにも隼瀬と結ばれて欲しいて思てしもたつよね。あおちゃん、占いでこれ見えとった?」



「うん、3人の結びつき強すぎるけんね。まあお姉さんとふうちゃんの気持ちが強すぎてはあちゃん大変だろばってん」



「それなんか私も分かる」



でも隼瀬も隼瀬で、それを大変だなんだと感じず、受け入れるところが2人の妻にとって最高のパートナーなんだろうなと思う幼なじみ達。そしてこの後も会が終わる直前まで新郎新婦達の周りにはひっきりなしに友人達が集まり、話は尽きなかった。

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