覚悟



秋休みの帰省中、みんなでバーベキューをして、デザートの隼瀬も姉と一緒に堪能して、彼が先に寝たので久しぶりに暁美とふたりでお風呂に入る冬未。



「前にうちんアパートで隼瀬と3人はあったばってんお姉ちゃんと私2人でとか小学校以来ね」



「あーそうね、てかあんた達アパートだといつも一緒入りよっと?」



「うん、家賃に光熱費も入っとるちゅうたっちゃやっぱ一緒にしたがよかし」



「ばってん大丈夫?ずっと一緒に入っとったらお互い裸に慣れてからレスとかになったりするて言うし」



「あー、ばってんそぎゃんとはにゃあね。私も隼瀬も家族は家族ばってん好きの気持ちは変わらんし」



「そっか、まああんた達な特殊だけんね。てかこん前の文化祭招待されとったて行けんでごめんね」



「んねんね、それに隼瀬のメイドさんは私写メ送ったけんお姉ちゃんも見たろ」



「うん、だっご可愛かった」



「そら隼瀬だけんね」



「そうね。あら、「私の」って言わんとね」



「まあ私達姉妹でシェアって事で」



「お、ならまた今日んごた事させてくるっと?」



「たまにはね。ばってん基本は私のもんだけんね」



「はいはい、分かってますよ。私な妾でよか」



「弟の妾ね」



「うん、ほんで今日してみてやっぱ私隼瀬ば・・・って気付いたし、葵とは別れる」



「え、本気?」



「うん、本妻のあんたに認められた隼瀬の妾になる」



「ほんと、変なとこ決断力あるよね。まあ私がよかって言うてしもたけんそれでよかばってん」



「ありがとう」



「んね、隼瀬ば思うお姉ちゃんの気持ちな私と一緒だし。世間から見たら私達の事気持ち悪いと思うかもしれんばってん、私なそぎゃんと気にせんし、今私達だけでこぎゃん話しよるばってん隼瀬も話したら受け入れてくれるて思う」



「そうかね・・・」



「うん、まあ親達には絶対言えんばってんね」



「確かに・・・」



そしてお風呂を上がって、起きていた隼瀬に先程の話をする姉妹。



「冬未、本気?」



「うん、まあ隼瀬が嫌なら無理にはよかばってん」



「んー・・・まあさっき姉ちゃんに触られたりして嫌じゃなかったし・・・冬未がそぎゃん言うなら僕も覚悟決めるか・・・姉ちゃん、よろしく」



「隼瀬・・・ありがとう」



「まあ結局なんかこうなりそうな気しとったし。てかこぎゃんなるならあん時姉ちゃん僕たちにあぎゃん大金渡さんでよかったて」



「だってあん時な本当に吹っ切るつもりだったし・・・今日冬未ちゃんにこの話されるまで本当にそぎゃん思いよったけん」



「姉ちゃんも色々悩んどったつね・・・あー、ばってんこれから僕2人も妻のおって大変ね」



毎晩寝れなさそうだなと呆れ笑いを浮かべる隼瀬に、顔を見合わせて嬉しそうに笑う妻達。あっちの世界と違い、こっちの世界でこうなったのは、やはり違う世界で冬未と暁美、隼瀬3人の心のうつろいもちょっとは違ったという事であろう。そして、実の姉とそんな関係をのぞむなんて僕もシスコンこじらせすぎだなと隼瀬も思う。



「で、これからお姉ちゃんも私達と一緒におるど?引越し理由どうするね、まさか隼瀬の2号さんになりますなんか親に堂々と言えんたい」



「冬未ちゃんさっきから妾とか2号さんとか17歳なのに微妙に言葉古くにゃあ?!まあ「職場があん子達のアパートが近いけん」言うて出てくつもりよ」



「あー、まあそんなら辻褄合うね。それにお姉ちゃんおったらみやこ病院連れてく時とか買い物も楽だし」



「あー、そうね。そぎゃんメリットもあるか」



「あんた達ね・・・来年免許取ったら車は買うてやるけん自分達でそぎゃんとちゃんとせれよ」



「「はーい」」



本当に大丈夫かなこいつらと思う暁美だが、弟夫婦の間に入る事を認められてウキウキ、ウキウキウォッチングである。何をウキウキしてウォッチングしているのかは不明だ。そして、秋休み明けにアパートに帰る隼瀬と冬未にそのままついていき、夫1人、妻2人の少し奇妙な生活が始まるのだった。











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