妻と姉


バーベキューで少し食べすぎて、隼瀬の実家の部屋で横になる冬未と隼瀬。



「あーお腹パンパンばん」



「美味しかったね」



「隼瀬ん料理が私ん中じゃ宇宙一ばってん、たまにゃこぎゃんともよかな」



「あら、前まで世界一だったて格上げされたつか」



「うん、もしか他の星にだっごうみゃあ料理のあったとしたっちゃ、なんさま私なあんたのご飯がよか」



「えへ、嬉しかばってんそぎゃん褒めたっちゃなんも出らんばいた」



「なん、あんたが私の夫でおってくるっだけでなんもいらんたん」



「冬未・・・愛してる」



「私もよ、愛しとるよ隼瀬」



で、そんな弟夫婦の会話を案の定盗み聞いていた暁美が部屋に突撃して、2人に抱きついてくる。



「私も、隼瀬も冬未ちゃんも愛しとるよー!」



「「ちょ、お姉ちゃん?!」」



あまりに不意すぎて、隼瀬も小さい頃呼んでいたように「お姉ちゃん」呼びで冬未と一緒に驚く。



「お姉ちゃんなんかえくれとる?酒くしゃあ」



「あんたが律儀にお酌してくれたけんね、飲まんわけいかんたい」



「そらすんまっせん・・・ばってんこぎゃん酒くしゃあお姉ちゃん嫌よね隼瀬」



「うん、なんか匂いでこっちまでえくれちしまいそう」



「よかたん、なんならちゅーしてやろか」



「やめて、いや、ほんなこて」



「えー、隼瀬あんたお姉ちゃんのファーストキス奪ったろも」



「「あれ初めてだったんか・・・」」



いくら隼瀬の事思い続けて言うたっちゃキスくらい中高のどっかで経験済みだろなんやこいつ自分達より9こも上てから初心やなアホかとか辛辣な事を思う冬未と隼瀬。



「そうたい!中学ん時はあんた達の世話でいっぱいだったし、高校でん別にそぎゃん気せんだったし」



「「さしより(とりあえず)心読むのやめて」」



「てかファーストキスが実の弟て葵兄ちゃん(暁美の彼氏)に言うとっとね?」



もし言ってたとしたらこいつ相当だぞと思う冬未が問う。



「言うわけなかたん、勿論お父さんもお母さんも知らんし、こら私とあんた達だけの秘密」



「あ、まあそうよね。よかった、てかお姉ちゃん、こいつ私んとなんばってん」



先程から隼瀬にくっついて変なとこを触ろうとする暁美に少しムッとして、彼を自分のとこに強引に引き寄せる冬未。



「えー、私の弟でもあるんだけん」



「普通のお姉ちゃんは弟にキスしようとしたりこぎゃん風に変なとこ触ったりしません」



「にゃ、にゃんしよっとね冬未、姉ちゃんの前でどこ触っとっとね!」



「あんたが私のもんてこん人に見せつけてやっとっとたい」



「なん、姉ちゃんも彼氏おっとだけん、今ちっとえくれとっだけで」



「ばってんそん彼氏もわざわざ隼瀬に似た人ば見つけらしたわけだろたい。本音はどぎゃんかね、ねえお姉ちゃん、隼瀬の可愛いここ触りたい?」



そう言って悪戯っぽく笑う冬未の手の先を、そして隼瀬の反応を見て、思わずその問いに頷いてしまう暁美。



「姉ちゃん?!僕達血の繋がった姉弟よ?!」



「ふふ、まあちょっとならよかかもね」



「冬未もなん言いよっとね、姉ちゃんの酒ん匂いでえくろうたっじゃにゃあとや」



「かもね・・・まあばってん私もあんたのお姉ちゃんだったら、お姉ちゃんのごつなっどし。私もお姉ちゃんには世話んなっとるけんたまにはね」



「えぇ・・・」



そして本当に姉は自分の体を触ってきて、冬未と2人してせめられて何も抵抗できない隼瀬である。



「本当に姉ちゃんが僕の・・・」



「ごめんね、やっぱ気持ち悪い?」



「んね・・・(姉ちゃんに触られてこぎゃんなるとか僕もだいぶおかしいな)」



そして、半ばサキュバスと化した妻と姉が満足するまでさんざんやられた後、疲れて眠ってしまう隼瀬を愛おしそうに見つめるその淫魔達。



「お姉ちゃん、やっぱ本物の隼瀬のがよかっだろ」



「そら・・・まあ今日んとなまだ浮気にならんけん」



「そうね、仲良い姉弟なら弟の「お手伝い」くらいするもんね」



「そぎゃん事にしとく。てかあんたもよう私にさせたね」



「まあお姉ちゃんだけんね。私もなんか興奮してそういうビデオみたいにお姉ちゃんとキスしちゃったし」



「なんね、隼瀬そぎゃんビデオ持っとっと?」



「いや、こん子なあんま興味にゃあけん私が研究の為に・・・」



「あー、まあ今日の見ても思たばってん隼瀬な男子にしたらそぎゃんとあんまにゃあもんね、そこがかわいかばってん」



「ね?そぎゃん子ば〇すの興奮するたい」



「はぁ、ほんなこてあんた達色々逆ね。うちのばあんま困らすなよ冬未



「なーん、こん子もさっきんごつ可愛い顔して喜ばすとだけん・・・またしたくなってきた」



「あんだけしたて若っかね・・・ばってん寝込み襲うとなでけん」



「はーい、じゃあ隼瀬まだ起きんどし、先にお風呂入るか」



「そうね」



というわけで久しぶりに暁美と2人でお風呂に入る冬未。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る