帰省中



クリスマスに予定されている結婚式へ向けて準備が進む中、隼瀬達カップルもとい夫婦は秋休みで実家へ帰ってきていた。



「はあちゃんいつもごめんね、本当なら冬未がそぎゃんとせにゃんてから」



「本当あぎゃんとばもろてくれてありがとうはあちゃん」



帰ってきて家事をなんでもしてくれる隼瀬に、ごめんねと頭を下げる冬未の両親。



「んねんね、僕な好きでやっとっとだけん。それにお義父さん、僕もそぎゃん冬未ば好きになったわけだし、それに貰わるっとな僕ん方たい」



「はは、そうね。ばってんほんなこつ、冬未と結婚したけんてなんも気ぃ使わんちゃよかけんね、あんた元々気にしすぎるし」



「うん、大丈夫、ありがとうお義父さん」



そしてせっかく実家帰ってきとっとだけんもうゆっくりしときなさいと亮と春美に念を押すように言われ、部屋に戻る隼瀬。



「お義父さんもお義母さんも両方家おるの久しぶりね」



「うん、まあ最近はだいぶ楽んなってきたごたっし」



「そうねえ、あ、お義父さんに今日ご飯何するか聞いとらんだった」



ちなみに冬未の両親も隼瀬達と同じく夫の方が家事をこなしていた。



「なん、別に気にせんちゃよかて。お父さんにもいつも言わるっども」



「ばってんなんか、じっとしとれんて言うかねえ」



「まああんたこまか時からそうだんね、ほんと私達って性別逆に産まれて来たんかもね」



「まあたしかに、もしそん場合でも僕は冬未に惚れとったと思うし」



「そら私もたい。あんたがごつ女絶対離さんばん。まあ今の男ん娘の隼瀬もそうばってん」



「「こ」の漢字おかしにゃあ?」



「だってかわいかもんあんた、みやこもパパ可愛いて思うよね?」



今回は数日家を空けるので、みやこも一緒に連れて帰っていた。



「みゃー」



「ほら」



「なんがほらね、絶対そぎゃん言うとらんたい」



「ふふ、ばってんやっぱこん子もパパのが懐いとるし」



実際、みやこは冬未にもちゃんと懐いてはいるのだが、どちらかと言うと世話焼きな隼瀬の方によく懐いており、現に今も隼瀬の膝の上で丸まっていた。



「いやあ、まあ僕昔から動物は寄ってくるし」



「あーたしかに」



そういえば昔から隼瀬は道端で会った犬とかに好かれやすかったなと思い返す冬未。して、昨日帰ってきてから動きっぱなしの隼瀬はうとうとし出す。

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