再会



冬未が隼瀬を着せ替えるのにハマり夜な夜な楽しんでいた頃、冬未が数ヶ月前に転校してきたばかりだというのにまた同じクラスに転校生がやってきた。しかも冬未と隼瀬はその名前を聞いて、昔の友達と気付く。



芳賀育美はがなるみです」



「「あーなっちゃん!!」」



「久しぶり、ふふ、ふうちゃんもはあちゃんも相変わらずね」



幼き日もずっとくっついていて今もくっついている隼瀬と冬未を見て、本当に変わらないねと微笑む育美。して、転校生恒例の質問攻勢が終わった後、改めて幼馴染は再会を喜ぶ。



「なっちゃんこっち帰ってきたつね」



「うん、てかふうちゃん、その指輪もしかして・・・」



「うん、隼瀬がくれたと・・・私達、正式に婚約したつよ」



「おお、おめでとう!」



「「ありがとう」」



「ほんでこちらの2人は僕達の親友の充希といいんちょ・・・咲良ちゃん。2人も付き合っとっとよ」



「え、まじ?!ほんと、ふうちゃんも咲良ちゃんもなんか羨ましかね」



こんな美男子と・・・と、年頃に羨む育美である。と、冬未は育美に昔の事を聞く。



「なっちゃん、隼瀬ん事好きだったろ?」



「う、うん・・・私だけじゃなくてあおちゃんもそうだし、なんさまはあちゃんなモテとったたい。てかなんねふうちゃん、今でん私がはあちゃんの事そぎゃん思とっとでも?」



「だって隼瀬がモテっとなずっとだし・・・ほんなこて大丈夫?」



「大丈夫、昔からずっとふうちゃんとはあちゃんの間に割って入れるもんなんちゃおらんどたい。ね、八幡くん、咲良ちゃん」



「「そらそうね」」



「てか育美ちゃん、僕も名前でよかよ」「私もちゃん付けとかいらんよ」



「あらそう?じゃあ充希くんと咲良で。2人に聞きたいばってん、はあちゃんふうちゃんて学校でもずっとこぎゃんしてくっついとっと?」



「うん、夏休み前に同棲はじめてから余計ね。私もそら充希とずっと一緒におりたいばってんさすがに教室でこぎゃんくっついたりは恥ずかしいけんせんし」



「うん、それにまだ暑かし。てか逆に幼稚園くらいからこの2人こうね、育美ちゃん?」



「そりゃもう・・・ふうちゃんなんかね・・・・・・」



と、ここで始業のチャイムが鳴り、この続きはランチタイムにゆっくり話す。



「そんでね、ふうちゃん先生にも「はあたんばたぶらかすな」とか言うて」



「はは、なんそれ冬未マセすぎ」



「すぎゃーね。そういや中学入ってすぐに隼瀬が同級生の女ん子からラブレターもろた時も冬未ちゃん、凄い形相で破り捨てたよね」



「だって私の隼瀬に手出そうとか・・・」



「正式に付き合う前からそれだんね・・・・・・まあ俺は周りになんか聞かれたら「あん2人は特殊だけん」て言いよったばってん」



「確かに特殊ね。てかふうちゃんもはあちゃんも私、昔の呼び方んままにしとるばってん、大丈夫?」



「「全然全然」」



「隼瀬もたまに寝言でふうたんて呼んでくるし」



「そら冬未だろたい、はあたんて・・・それに布団の中とかでん・・・・・・」



自分で言って顔を赤くする隼瀬とそんな彼をわしゃわしゃと撫でる冬未に、本当こいつらは所構わず・・・とたまらず席を外し、2人きりにする気配り上手な友人達である。



「あれ、皆いつの間に・・・」



「まあよかたい。おかげで2人きりだし・・・はい、はあたん、あーん」



「あーむ・・・?!」



「・・・ふふ、口移しで貰っちゃった」



「冬未・・・充希達なともかく他のクラスの子とかに見られたらどうすっとね」



「なーん、私達ん事な校内中知っとったい。それにちゃんと婚約しとっとだけん不純異性交遊にはあたらん」



「まあ確かにそうばってん・・・」



「てか私は呼んだつに呼んでくれんと?」



「っ・・・わかりました、ふうたん・・・・・・」



「ふふ、今のはあたんの顔、このタコさんウインナーと同じ色しとる」



「ばか・・・・・・」



そして冬未が再び隼瀬の唇を奪おうとしたところで、芙美子先生が入ってきて、いいとこだったのにと文句を垂れる冬未。



「あのね、ここはあんた達の家じゃないんだけん。まあばってん先生はなんも気にせんけん続けて続けて、なんなら最後までやってもよかよ」



「ちょ、なんいいよっとね先生!冬未本気にするたい!」



「ふふふ、まああんた達の年頃で2人んごつちゃんとした関係なら変に我慢する方がようなかたい。まあさっきのは冗談ばってん、授業中以外ならキスくらいどこでんしなっせ」



何言ってんだこの教師と、隼瀬は勿論冬未もそう思ったが、実際この日以降2人の校内イチャイチャは更に過熱していくのであった。

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