報告



冬未に入れ替わりの事を打ち明け、彼女に愛の告白をされ、それを盗み聞いていた咲良にも気付いて隼瀬は改めて3人で話そうと言い出した。



「で、つまり2人の斎藤くんの魂が入れ替わったって事か。まあ今朝もおかしかったし、信じるしかにゃあよね」



「まあばってん隼瀬は隼瀬だし」



「冬未・・・」



冬未の言葉に乙女のような顔を見せる隼瀬を見て、何かドキッとくるものがある咲良である。バキッとくるかもしれない。なんやそれ。



「まあなんにせよ、2人にはおめでとうて言わにゃんね」



「「ありがとう」」



「てかなんか今の隼瀬は昔に戻ったごたっで(みたいで)だっご(かなり)可愛い」



「いやいや、冬未こそなんかこっちの冬未可愛い・・・」



「隼瀬・・・」「冬未・・・」



「ちょっとおふたりさん、私もおっとだけん」



なんだか2人の世界に入り出す冬未と隼瀬を制止する咲良。



「「はは、ごめんごめん」」



「わぁ、なんか双子んごた・・・幼なじみで結ばれるとか本当になんかよかねえ」



「だろ?ねえ咲良・・・あ、咲良って呼んでも?」



「うん、私も冬未でよか?」



「うん。咲良は彼氏とか好きな男子とかおらんと?」



「それは・・・」



隼瀬、男子の前だと恥ずかしいのか冬未をトイレに連れて行ってその話をする咲良。



「え、みっくん?!」



「うん・・・まあ八幡くんは私なんかどぎゃんも思とらんかもしれんばってん・・・」



「なんね、咲良って意外と面食い?」



「違う、顔だけじゃなくて・・・」



「ふーん、そっか・・・」



「だけん斎藤くんにそれとなく聞いてみて欲しいなって・・・・・・」



「・・・ふふ、四高の聖女もやっぱ女の子ね」



「え、その異名なんで冬未が?」



「隼瀬に聞いとったけん、じゃあ今日帰ってから隼瀬に聞いてみてやるけん」



「ありがとう」



「んねんね、私達なんか親友になる気するし」



「冬未・・・」



というわけで帰宅後、冬未の両親がまだ帰らないという事で隼瀬の家に一緒に帰った冬未。隼瀬に充希の話を聞く前に美香と暁美に隼瀬と付き合った報告を行う。



「「なんね、まだだったつねあんた達」」



どちらの世界でも2人の親族双方この反応である。それだけ2人がくっつくのは当たり前だと認識があったのだ。して、隼瀬の部屋へ行って、冬未は隼瀬に充希の事を聞く。



「ねえ隼瀬、みっくんて好きな子とかおる?」



「うーん、充希はあんま自分のそぎゃんと話さんし・・・ばってん、いいんちょの事は・・・・・・」



「え、まじ?」



「うん、僕もあんま敏感じゃないばってん、いいんちょと話しよる時の充希はなんか・・・うん。いいんちょも充希好きとだろ?」



「うん・・・咲良はなんか自信なさそうだったばってん」



「あん人な考えすぎるとこあるけんねえ・・・」



2人でそんな話をしていると、歳の離れた弟達が可愛くて仕方ない暁美が覗きに来る。



「なになに、恋バナ?」



「え、うん、ちょっと充希がね」



「みっちゃん?なんね、みっちゃん好きな子おると?」



「うん、てか姉ちゃん盗み聞き?」



「んねんね、たまたまたい。ほんで冬未ちゃん、隼瀬ん事よろしくね」



「うん・・・」



それだけ言って去っていく暁美を見送る冬未の顔があれっとなるのを感じて、不思議そうに見つめる隼瀬。



「冬未、姉ちゃんとなんか?」



「んね・・・(お姉ちゃん、隼瀬ん事・・・)」



「あー、てかもう付き合ったわけだし、私転校しよかな」



「は?そぎゃん簡単に、てか白梅の友達はどうすっとね?」



「だってできる限り一緒におりたいし」



「そ、そら僕もばってん・・・」



「!今日の隼瀬可愛いな本当・・・」



そう言ってぎゅむっと抱きしめる冬未。そんな光景をこっそり覗く暁美は複雑な表情で見ていた。



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