異世界を救った元英雄の、成り上がりダンジョン配信録!!〜普段からぼっちだった俺が異世界で得た力でダンジョン配信者として超有名になり、人生勝ち組に至るまで〜
第35話 桃葉モモ視点と【死神アマツを語るスレ】
第35話 桃葉モモ視点と【死神アマツを語るスレ】
「えぇ⋯⋯嘘、えぇぇ⋯⋯?」
遠くからアマツとキラーマンティスとの戦闘を眺めている桃葉モモは、アマツのありえない行動を前に理解が追いついていなかった。
だがそれは、桃葉モモだけでなくコメント欄も同様であり。
────コメント────
・なんでわざわざキラーマンティスの懐に飛び込んで戦ってるんだ?
・あの攻撃全部対処するとか、相変わらず化け物すぎる。
・ていうか、あれキラーマンティスで遊んでね? 死神、全然攻撃する気ないじゃん。
・デスリーパーを倒した奴だから当然っちゃ当然だけど、危険度B+のモンスターを前にあれだけ余裕とか、頭おかしすぎる。
・最初にやった一撃、全然見えなかったぞ。キラーマンティスも反応出来ずに腕一本持ってかれてるし。
・これ、モモっちの援護いらないな笑
・普段はあんまり感情の変化ないのに、戦いが始まるとすげぇニッコニコだよな、アマツって。
────────────
異常すぎるアマツの行動にコメント欄も逆に冷静になっていて、皆が皆素直にアマツとキラーマンティスの戦いに見入っていた。
キラーマンティスの目にも留まらない速度の連撃の中、余裕な表情で攻撃をやり過ごすアマツ。
本来キラーマンティスと戦う際は、懐に潜り込んでしまうと4本の鎌でズタズタに切り裂かれてしまうため、距離をとって戦うのが基本となる。
そのためこの場面はアマツではなく桃葉モモの方が活躍できるはずなのだが、そんな常識などアマツの前では通用しなくて。
重たく振り回しにくい大鎌を軽々と振り回してキラーマンティスの鎌を弾き、そして必要最低限の動きで攻撃を躱し続けるその動きは、一朝一夕で身につくものではない。
まさに戦いのスペシャリストのようなアマツを前に、桃葉モモは胸の高鳴りが止められなかった。
「(だめ⋯⋯もう、カッコよすぎる⋯⋯生でアマツさんの戦いが見れるなんて、今日のモモの運勢最高すぎ⋯⋯!)」
モンスタートラップに遭遇し、オニゴロシムカデに襲われた時は最悪の運勢だと言っていたモモだが、今では最高の運勢だと感動していた。
桃葉モモは登録者50万人を超える大物ディーダイバーではあるが、それと同時に配信を見るのも好きだったりする。
色んなディーダイバーのチャンネルを登録している桃葉モモだが、その中でもアマツは別格であり。
"死神"という名に相応しいビジュアルに加え、"死神"という名に相応しい戦闘能力を有するアマツ。
それでいて優しい性格と、丁寧な喋り口調。そのギャップのせいで、桃葉モモはすっかりアマツに夢中になっていた。
そうこうしている内にも、キラーマンティスに飽きたアマツが、ものの一瞬でキラーマンティスの全腕を切り落とす。
そして力なく項垂れるキラーマンティスの首を刎ねることで、僅か2分ほどでボスモンスター戦が幕を下ろしてしまった。
────コメント────
・えぇ⋯⋯なにコイツ、こわぁ⋯⋯
・アマツが強すぎて、キラーマンティスがただの雑魚モンスターに見える件。
・キラーマンティスに30分以上かけてる配信者とか、ザラにいるよな? それを2分くらいで討伐とか、やっぱりイカれてやがる。
・これ、武器が強すぎるだけだよな? そうだよな? そうだって言ってくれ。
・てか、やっぱり何度見てもアマツってAスキル使ってない気がするんだよな⋯⋯Aスキルを使ったら、一体どうなるのやら⋯⋯
・本当にアマツって何レベルなんだ? キラーマンティスを圧倒するってことは、平気で60レベルくらいあるのか?
────────────
もし桃葉モモがキラーマンティスを倒していたら拍手喝采が起きているはずのコメント欄だが、今は皆アマツの圧倒的な戦闘力を前に静かになっていた。
だがそれは決して盛り下がっているわけではなく、コメントの流れはいつもの1.5倍以上になっていて、同接数も驚異の4万人になっている。
アマツの登場により桃葉モモの配信の同接数はおよそ4倍へと膨れ上がっており、今Dtubeの中で、1番同接数の多い配信となっていた。
盛り上がりに盛り上がり続けている桃葉モモの配信。
だが盛り上がっているのは、桃葉モモの配信だけでは収まらなかった──
──────
【死神アマツを語るスレ 2階層目】
223 名無しの探索者
あれから全然配信してくれないなとは思ってたが、ここに来てまさか桃葉モモの配信で見ることになるとはな。
224 名無しの探索者
こんなこと言っちゃアレだけど、アマツって本当に実在したんだな⋯⋯
225 名無しの探索者
なんでアマツは配信もせずに割と難易度の高いダンジョンに1人で潜ってるんだ? 配信した方が絶対得だろ。
226 名無しの探索者
俺たちが伝説の神回配信って持ち上げすぎて、配信したくてもしにくくなっちゃった可能性も微レ存。
227 名無しの探索者
普通ならバズりまくったらその流れに乗って配信しまくるよな。アマツって案外その辺り慎重というか、消極的だよね。
228 名無しの探索者
でもいざ戦いが始まったら空気が変わるというか、一気にバーサーカーになるよな。
229 名無しの探索者
今桃葉モモの配信見てたけど、オニゴロシムカデをワンパンってなに? てか、登場の仕方がカッコよすぎる件について。
230 名無しの探索者
しかも今はキラーマンティスを瞬殺したところだ。アマツの偉業、止まることを知らないな。
231 名無しの探索者
さすが死神、強すぎる
232 名無しの探索者
まず死神っていうあだ名が強すぎるよな。普通ならなんだそのあだ名ってなるのに、アマツならなんか納得しちまうよ。
233 名無しの探索者
桃葉モモって、確か前配信でアマツの話題を出てたよな? これワンチャン、アマツに惚れちゃうんじゃね?
234 名無しの探索者
≫233 それは桃葉モモガチ恋勢涙目すぎるw
235 名無しの探索者
あーぁ、いいよなぁ。あれだけ強ければ、多分女性ディーダイバーのほとんどを抱くことだって夢じゃないし。
239 名無しの探索者
桃葉モモはあんまり好きじゃないけど、エロいからたまに見てる。走ってる時デカ乳がバルンバルンだからな笑
240 名無しの探索者
≫239 桃葉モモは太ももだろ。何言ってんだオメー
241 名無しの探索者
乳派か足派は一旦置いといて、桃葉モモ普通にアマツのファンらしいからな。アマツにその気があったら抱くことだって可能だろうよ。
242 名無しの探索者
でもアマツ、あんまり桃葉モモのことそういう目で見てないよな。他のディーダイバーは、割と桃葉モモにセクハラ発言とかしたりすることもあるけど。
243 名無しの探索者
それで何度炎上したディーダイバーを見てきたか。桃葉モモは囲いが厄介すぎるから嫌いなんだよ。
244 名無しの探索者
その辺りアマツって全然下心見せないし、普通に接してるからめちゃくちゃ好印象だわ。
245 名無しの探索者
桃葉モモと話してる時よりも、キラーマンティスと戦ってる時の方が楽しそうだったしなぁ笑
246 名無しの探索者
てか、最近皆アマツに嫉妬してるのか、あんまり話題に出さないディーダイバーも増えたよな。知ってるくせに知らないフリしてるというかさ。
247 名無しの探索者
≫246 そりゃ、自分の配信がアマツの話題で埋め尽くされたらあんまりいい気はしないだろ。
248 名無しの探索者
【速報】 アマツのチャンネル登録者、20万人を突破した模様wwww
249 名無しの探索者
マジかよ早すぎるわ
250 名無しの探索者
偶然とはいえ、桃葉モモとコラボしたおかげだな。桃葉モモを語るスレでも、今アマツの話題で持ち切りになってるし。
251 名無しの探索者
これ、最終的にどこまで行くんだろうな。サイバーRyouは現実的じゃないにしろ、暁レオとかなら越せるんじゃね?
252 名無しの探索者
≫251 その場合はアマツがEXダンジョンに踏み込むか、ユニークモンスターと出会うかしないと無理だろうな。
253 名無しの探索者
アマツならEXダンジョンもユニークモンスターも楽々突破しそうで怖い。
254 名無しの探索者
てか、アマツの持ってるあのデスリーパーの武器、もはやユニークアイテムみたいなものだろ。あれ持ってるの、アマツしかいないし。
255 名無しの探索者
最近やけにデスリーパーに挑むディーダイバーが増えたよな。まぁ、当然のように惨敗してるけどww
256 名無しの探索者
チャンネル登録者200万人超えてる奴も、わざとデスリーパーを発狂させた挙句、即死攻撃くらって死んでたしな。
257 名無しの探索者
≫256 それ、確か異形系を狩りまくってる【ケイオス】って奴だよな。あいつでも発狂したデスリーパーは無理なのか。
258 名無しの探索者
そりゃ、発狂したデスリーパーは危険度がSに限りなく近いA+だからな。しかも大鎌に瘴気が纏ってる状態で攻撃喰らえば問答無用で即死なんだから、いくら熟練者でも無理だって。
259 名無しの探索者
即死耐性がある装備品つければいいんだろうけど、A+以上の即死耐性付きのアイテムってめっちゃ希少だしクソ高いんだよなぁ。
260 名無しの探索者
結論、アマツが異常
261 名無しの探索者
≫260 異議なし
────────────
アマツについて語るスレは、最近アマツの活躍がないことで少し失速気味であったものの、桃葉モモの配信にアマツが現れたことで再びその活気を取り戻していた。
だがアマツは配信をしているわけでも、掲示板を見ているわけでもないため、SNSやネット、掲示板で今自分がどう見られているかなんて知る由もない。
さり気ないアマツの一挙手一投足の全てが、話題になる日もそう遠くはないかもしれない──
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