第五話「歴史の授業と暗い先生」
休憩時間が終わりこの学校に入って、
初めての授業が始まる。
明らかに
テンションが低そうな人物が教壇に立つ。
「…歴史学担当の
初授業ですが自己紹介とかはしませんので
その辺りよろしくお願いします。」
苗字までくらいのかよ。
「…では初めて行きます。
まず最初におさらいから。
怪異侵攻事件は何年前か
皆さん知っていますか。」
日比野が
「ちょうど20年前の2026年です!!先生!!」と答える。
「…暑苦しい生徒ですね…ですが正解です。
2026年4月1日に
怪異の大侵攻が始まりました…。」
怪異大侵攻…後に「黒き春」とも呼ばれる
それは、突然の出来事だったらしい。
始まりは京都。
まず最初の一体が突如として現れた。
そしてまた一体、また一体と増え
七体となってから破壊が始まった。
怪異はその圧倒的な力で町を蹂躙した。
当然、こちらも対抗した。
銃、戦車の大砲、爆撃…
どれも奴らに
かすり傷一つさえつけることができなかった。
次いで大阪、名古屋、東京でも
同様のことがありそのどれが壊滅した。
これはほかの国や地域でも同じだそうだ。
「…そして、京都と名古屋、東京は占拠され
奴らのアジトとなりました。
…ですが、当時の霊能士の活躍により
名古屋だけは奪還に成功しました。
ですが京都と東京は、
今もなお占拠されています。」
そして政府は奪還された名古屋を
新たな首都として復興させた。
当時の霊能士達の働きにより
霊能士法が制定されて今の体制が整い
この学校を設立できた。
学校設立以降、
質のいい霊能士達が少しづつではあるが
育っていった。
「…さて、おさらいはここまでとし
本題に移ります。」
倉井は黒板に霊能士の歴史と書いた。
‥‥・妙にかわいらしい字で。
なんかかわいらしい兎の絵まであるよ。
倉井はふざけているわけではないらしく
真剣そうな顔で話し始める。
(…ギャップがすげえ。)
「…霊能士がいつ頃、誕生したのかは
正確にはわかっていません。
一番古い記録だと
明治頃から霊能士は居たようです。
しかしそれは最初の霊能士ではないんです。
その霊能士たちも先人の教えがあったようです。
ですがその先人が誰なのか。
そしていつ頃にいたのかは不明です。
…要は資料不足です。
ですので本題とはいいましたが
現状、霊能士の歴史として教えられるのは
ここまでとなります。」
倉井は壁掛けの時計を見てため息をつく。
「…少し早いですが今日はここまでです。
次回以降は本格的に授業を始めます。
皆さんの霊の歴史や
プロの霊の歴史などをやっていきます。
予習などしておいてください。」
そう言い残すと倉井は教室を出て行った。
次の時間からは
この霊能科の主な教科、霊能学の授業だ。
俺は期待に胸を踊らせながら
休憩終了を待つことにした。
―あとがき
霊能戦記第五話「歴史ノ刻」いかがでしたか?
話が短いのは、
それだけ霊能士の歴史が少ないってことです。
第五話にもなったのに
未だに戦闘描写がないですね…。
僕も早く書きたいのですよ。戦闘描写。
一応、来週あたりには戦闘描写がありますので
しばしお待ちを。
では次回第六話「憑依の授業と鬼教官?」で
お会いしましょう。ノシ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます