【先輩の言葉より】その後のちょっとした話。
「次回はもう、
あれから2週間後、ついに来てしまった1人調理。恐怖と不安しかない状態で作業を開始しました。リーダーが調理してくれた前回の仕上がりの状態を思い出し、同じ見た目になるよう進めていきました。ちなみにメニューはフライドおさつ。サツマイモを素揚げして塩を振って出来上がり。温度を確認しサツマイモを揚げていき、前回と同じ見た目になったところで油から掬い上げていきました。
「これじゃ提供できないよ!?」
そう後ろから言われ焦りました。
「え、前回こんな感じだったと思うんですが、違いましたか?!」
始める前にレシピを確認し、大丈夫だと思って作業を開始しましたが、どうやら前回よりも高めの温度でカラッと揚げるべきだったようでした。
「前は油っぽかったから、もっと高温でやらないと!」
え、そうだったの?!そんなん知らな…いや、始める前に前回と同じで良いか確認するべきだったな…と思ったと同時に、どいて、そう言われ横にずれると、リーダーは油の温度を高くし二度揚げを行いました。
あああぁ…また迷惑と手間かけさせちゃった…
謝罪をとお礼を伝え、その後おやつを提供しました。
それ以降、1人でおやつ調理はさせてもらえなくなり、本当は1人でやらなきゃだよと、毎日言わせてしまうようになりました。
*********
別の日
調理師さんがおやつで使う材料を使う分出してくださり、お礼を言って開封、作業を開始しました。この日はクラッカーにジャムを塗って提供する形でした。人数分と保存食分、予備分と展示用…必要な数を制作し終えましたが、ボウルに出したジャムは余りました。これどうすればいいかなぁ、と思いリーダーに尋ねました。
「なんでそんなに量出したの?」
「え…と、
「あの通りに出したら多いよ!容器から出して余ったら、それ全部廃棄だよ!」
うっそまじか
つか、書かれてる量じゃ多いんじゃ、今後どうやって分量決めんの?
「保護者から貰ってるお金で買ってる食材だよ、それに給食費も赤字なの。」
給食費赤字なの…?
さあ…と血の気が引きました。指示書の意味あるの?なんていう疑問はすぐに頭から消えました。頂いているお金をドブに捨てたも同然。とんでもない大罪を犯してしまったと思いました。
やってしまったことは取り返せません。謝罪をしても、出してしまった分の食材は元に戻りません。またやらかしてしまった…次からは何においても少量ずつ出すようにしよう…と思いながら清掃作業をしていると、調理師さんが私に謝りました。
「私が出したのに、ごめんね。」
「いいえ!使うもの出してくださってありがとうございました。
調理師さんが悪いとは思っていなかったので、そう返しました。
*********
調理師さんと2人体制の日
おやつはカップケーキ。
「調理師さんは、指示書通りの分量で、書かれている手順でやっていますか?」
「うん、私はそうしてる。リーダーは違った?」
「…自分の感覚で生地の固さ見て調節するように言われました。」
「あー…じゃあそうした方が良いかも。」
2人でやり方違うんかい。
*********
とある日のおやつ提供後、食器類の後片付け中
調理師さんが手にしていた食器類がぶつかり割と大きな音が出ました。
「なんかすごい音したけど、大丈夫?」
事務作業で前室(調理室に入る扉の前にある着替えたり、トイレがあったり事務作業する部屋)からリーダーが顔を出しました。
「あ、私です。」
「なんだ、調理師さんかぁ。大丈夫ですよ。」
そう言って戻っていきました。
…私だったら何言われたんだ…
*********
前日、調理師さんが遅番、次の日私が早番、リーダーが遅番のとある日
「洗剤、出しっぱなしだめだよ。」
黙々と野菜の下処理をしていると、出勤してきたリーダーがそう言いました。
洗剤??今日まだ使ってないから、出してないんだけど…不思議に思い振り返ると、昨日調理師さんがシンクの下に戻し忘れたであろう洗剤がありました。
「それ…いや、すみません、気を付けます。」
私じゃない…と思いましたが、早番なら気づいて仕舞えってことか…まあ、私もやりかねないし…と思いそう返しました。
*********
嫌いなものとタイムリーな問い。
私は、生のトマトとバナナが苦手です。出されれば食べますが、自分から手を出すことはありません。
そんな中、この二大巨頭が揃って給食に出るという地獄を味わったある日の食後片付け中に投げかけられた質問。
「嫌いな食べものある?」
「生のトマトとバナナ苦手です。」
「今日の給食両方とも出たじゃん。」
「今日その質問されるとは思いませんでした。」
もちろんちゃんと食べましたよ、勿体ないので。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます