10話

あれ?どこだここは?



ちょっと記憶を整理しよう。





あの後も文通のやり取りは続いたけど輪廻転生についてはお互い触れぬままだったよな。



彼女の方からも何も言ってこなくなったし。



で、何気ない日常を伝え合う日々が続いていたんだ。









あ、そうだそうだ。



返事を書こうとしていたらボールペンのインクが切れたんだった。



それで近くのコンビニまで買いに行ったんだ。







で。







コンビニに行ってる途中。









思い出した。





僕は信号無視で突っ込んできた車に轢かれたんだった。

























全身が痛くて身体が動かない。





手には点滴。





ああ病院か。





助かったんだ。





良かった。





死んだかと思った。





でも死ぬ瞬間って走馬灯を見るって言うけど何も見なかったしな。



一瞬だった。



あ。と思ったらもう意識なかったよな。



痛みとかもなかった。



今はめちゃくちゃ痛いけど。



これが生きてるってことか。



本当に良かった。





彼女も心配しているだろうな。



手紙を返さないと。



その前にまずは身体が動くようにならないとダメだな。









ああ、痛ぇ。



ってか今日は何日だ。



僕はどれくら意識を失っていたんだろうか。





窓の外はギラギラと太陽が照り付けている。



という事はまだ夏だな。



長期間眠っていたワケではなさそうだ。













誰か病室に入ってきた。



母親かな。





いや違う。



看護師さんだ。









「あ、青山さん!意識が戻ったんですね!良かった!!」

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