2話
アスファルトに照りつける太陽。
今日も相変わらず暑い。
まだ梅雨入りしていないというのにこの暑さ。
真夏になったらいったいどうなってしまうのだろうか。
スーツにネクタイ。
考えるだけで汗がダラダラ流れてくる。
週の真ん中になると週末が待ち遠しい。
今週はどんな感じで過ごしているのだろう。
どこかまたテーマパークにでも行っているのだろうか。
熱中症で倒れてないといいけど。
僕はというと毎日仕事。
本当に何の希望もない。
生きるために仕事をしている。
小さい頃はいろいろ夢があったんだけどな。
どこで道を間違ったんだろう。
いくら振り返ってみても自分では分からない。
最善を選んできたつもりなんだけどな。
ただ無難な方へ進んだだけだったのかもしれない。
もっと努力してれば今頃プロ野球選手になれていたんだろうか。
今となってはもう分からないけど。
ただこの生活が死ぬまで続くのは嫌だな。
そういった生活がイヤだと思って文通を始めたんだった。
単純に毎週1通の生活報告。
それでも社会と繋がれている気がした。
自分以外のキラキラした生活を見ることで自分をそこに重ねてみたり。
気付いたら2年だもんな。
僕にしたら続いてるよ、ほんと。
いや、彼女が続けてくれているんだ。
何の面白みもない僕の手紙を読んで返事をくれるんだもの。
2年間も毎週。
尊敬しかない。
彼女に会ってみたいなあ。
会うと軽蔑されちゃうんだろうか。
こんな僕でも優しく接してくれるかもしれない。
あぁ、彼女への思いは募るばかり。
週末の手紙が本当に楽しみだ。
はやく土曜になればいいのにね。
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