はるはいきもの

〖ハイウェイで蹴飛ばされ

降ってきたケサランパサランが

死にかけの冬とキスをする〗

_或る散文より



鳥避けのテープにほっぺを叩かれ

まじまじみた 雲ないよ空


春はいきもの

道のはなびらを踏めや 踏めや つらひ


「上を向く気分は無でも

水たまりに空が映んなくて仕方なしに」


砂ぬきをしそびれて

唯一の後悔を春のおでかけに捨てゆけ


五音でも七音でも足りない愛を

三十一音にして私へとおくります。


栄光はカゴ一つ分

この街でヒロインになれぬ君がゆく


すうすうと眠るアマダイの前で

死にたいとか そんな # を読んでみる


風つめたし 野菜詰めてきたし

腹はへったし 君が待っていたし


あくびして 飛ぶという曲線で

斬る あれが鳥という朝のかけら。


毛まだ生えぬ 膣穴を

親の選びし布で覆い 少女 誰とはなす


寝転んで なおあなたの傷は

分かりませぬ 棚右端の本なのです


ファミレスは 旗に

ステーキ ステーキ ステーキ ステーキ

……くどい。

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