そのままのまるごとのわたしです

親指を前歯で噛み締めるも

涙は出ず 時刻深夜26時


プロポーズの返事をカラオケマイクに

吹きかけ裸は一夜限りにて


ドアノブをお辞儀させっぱなし

ぐらいの悪党 のち月曜日


ペレットが冷めた途端

麒麟の宥め方 知らせる君へ 「ずっと好きだ」


吉田生きる時間軸の紙面に

二百円一升の米 売られており


母 児童 私 並び続ける墓標

ここに図書館があって すれ違えたもの


主語のある二輪車が主語のある二輪車に

そっぽ向いて寝てら 晴れてらい


ほら、みて地球裏側に収束する

おひさま さよならしよ さよならせよ


過去形になつてしまうた猫に

覆い打ちをするまで この雪止まぬ


ぼろぼろ細胞のまぐろひときれを

ピンセットでつまんで やる猫へ

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