消失《けつまつ》
さびしさを一枚剥くぐらいで
来るなよ 今年はじめての冬
喉を鳴らす野猫は
私が玉ねぎを買った事もしらず
ハイウェイから逃げしイルカが
弾け みすだまりに まる まる まる
向ける者知らず殺意ぽつり
浮かぶ物陰の草刈り鎌
誰の手も握れずそっと
蛇口握る 三日月がきれいなよる
快活のPCと睨みあっても
明日はどうせどうせ 晴れ
エックスに「みらい わからない」と
打ち エンターを小指で押す
自転車も自販機もぬけ
赤子の唾液となるひかりはやがて
「絶望」と顔に出す時 音も無く
ミスチルよ幼子の真似をし
取り戻す笑顔を蹴飛ばしてくれ
頭上の旅客機から
スーツケースたちの泣き声が垂れる
すききらい無く全て愛せるほど
世界は気楽に回らない
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