さらばビッチ

猛暑を吸って吐いて ふかふかになあれ

物干しのハンドタオル


なんていふ空なのだろう

ほしがないほしがないほしがたりないあお


耳で音を吸ってみる あ

書いたての絵の具より……いろ


ぼくがいつか自分のいろを

隠したことをしっているまなつ


さびしがりの季節に入れた糸が

目の奥でバタ足をしている


リフレインする

あまりにもきれいに轢かれる狸の子


この家の扇風機がイヤイヤ期の指を

切断する前に全てこわれろ


小腹減り 喉奥へ放り込むさつま揚げは

副流煙浴びた路地裏の記憶


八月の夢に出てこないお前は

もしや 生き返ったりしてないか


さらばビッチ

さらばホテル街出会った君よ

火星はぼくのもの

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