第六章 タイムリミット最終日
僕はなぜか休日だというのに、朝六時にスマホからアラームが鳴った。
僕はなぜなんだろうと思いながら、アラームを解除してスマホのロック画面を見ると、リマインダーの通知が来ていた。僕はそこにかかれているパソコンを確認、パスワードは0314と表記してあり、僕は重たい体を動かし、パソコンを起動させロックを解除しホーム画面に来ると一つのファイルがあった。
そのファイル名は【橋倉翔太の毎日確認データ】
僕はカチカチッとファイルを選択し開くと、ファイルの中には三つのデータがありその全てのデータをじっくり読み終えるとすでに八時半を回っていた。僕は急いである場所へと向かわなければならなかったので、急いで出かける用の服に着替えエリビングに行くと母親が朝から掃除機をかけていた。
僕はおはようと声をかけると、母親は僕に気づき
「おはよう、翔ちゃん」
母親はそう言って掃除機を止めて僕に朝食を準備しながら
「今日はどこに行くの?」
と訊く。
僕は遊園地に行く予定があるんだというと母親はそれじゃ遊園地まで送っていってあげると言って僕は「ありがとう」と言いながら朝食を食べ終え顔と歯を磨き終えると遊園地へと向かった。
車で約一時間、僕は母親に遊園地まで送ってもらいありがとうと言って車から降りると僕は急いで遊園地のチケット売り場まで走って向かった。
僕が遊園地のチケット売り場に着くとすでに僕の恋人白石真白は僕を待っていた。僕はお待たせしましたと言いながら駆け寄ると
「いえいえ、まだ時間前なので大丈夫ですよ」
彼女はそう言って笑う。僕は彼女に
「それじゃ、チケットを買って早く園内に行きましょう」
と言うと
「そうですね、せっかく朝早くから来てるので、閉園時間ギリギリまで一緒に楽しみましょう」
白石さんはそう言ってチケット売り場の列へと並び、チケットを購入して入場ゲートを通り過ぎて遊園地の入り口へと立った。
僕は最初白石さんに
「何から最初乗り物に乗る?」
と訊くと
「まずは手始めにあの赤いジェットコースターに乗ろうよ」
と言った。
僕は一体どんなジェットコースターなのだろうと思い近くまで行って見ると、なんと二回宙返り&三回スクリュー回転するジェットコースターだった。僕は白石さんに
「本当に言ってるの?」
と訊くと
「当たり前だよ。せっかくここまで来たんだから全部の絶叫マシンには乗るよ、さぁー、早く行こう」
彼女はそう言って僕の腕をつかんでジェットコースターの並ぶ所まで行き、僕は強制的に絶対に酔いそうなジェットコースターに乗った。
最初のジェットコースターに乗り僕は少し気持ち悪い。
ぐるぐると体を回された上に級に加速したり減速したりするので僕はとっても手始めに乗るような物ではなかった。
だが白石さんはキャッキャと笑いながら
「もう酔ってるんですか?」
と言う。
「そりゃそうだろ。こんな宙返り&三回スクリュー回転をお見舞いされたらとっても気持ち悪いに決まってるだろう」
僕は少し不機嫌になりながら言った。
すると彼女はそう怒らないでくださいよ、次に行きましょう。
僕は未だムカムカとしながらも次の絶叫マシンに乗るため移動し、次に乗る絶叫マシンに着くと、少し列が出来ていたので、その列に並び僕らの番が来るまで待った。
そしてジェットコースターに乗る順番が来ると彼女は僕に
「これは今さっきのよりかはきっと酔わないと思うので大丈夫ですよ」
そう言って僕はわざわざ教えてくれてありがとうと言ってジェットコースターに乗り終えると、最初に乗ったジェットコースターよりかは遙かに楽だった。
僕はこれくらいなら乗っても大丈夫かもと言うと
「それじゃ、次も今さっきくらいなので大丈夫ですね」
と笑いながら言い次々へとジェットコースターを制覇していき、園内にあるジェットコースター半分くらい乗り終えてようやくお昼ご飯にした。僕はもうあれこれとジェットコースターのために歩いき、そのほかの絶叫マシンにも乗ったのでまだ昼間なのにくたくただった。園内にあるフードショップでご飯を買って、空いている席に座りとりあえずほっとしながら彼女に午後もまだ乗っていないジェットコースターや絶叫マシンに乗るんでしょと言うと
「そうだよ、あたりまえじゃん」
彼女はそう言ってお昼ご飯を食べながら答える。
僕はそうだよねと言いながらご飯を食べて少し休息を取ってまたジェットコースターや絶叫マシンに乗るために体調を備えた。
結局僕は丸一日楽しんでしまった。
朝十時から今はもう午後四時三十分。
今日はもうアトラクションに乗るならあと一つが限界だろうと思い
「最後に何に乗る?」
と白石さんに訊くと
「最後はあの観覧車かな」
と言って指を指した。
僕は彼女が指を指した方向を見ると大きな観覧車があった。僕はそれじゃ観覧車乗り場へ向かおうと言い、観覧車乗り場へと向かった。
観覧車乗り場にはもう人は居なかった。
僕は係員さんに誘導され、数あるゴンドラの中からちょうど来たゴンドラに乗り今日来た遊園地を眺める。
僕らは特に最初は話す事無かったが、次第に僕らは話し始め今日は楽しかったね、などと今日を振り返る。僕はこれで死ぬのならこれも悪くないなと思いながら話しゴンドラが一番上まで来ると、白石さんは僕に
「ねぇ、翔太君。私の事をこれからは真白って呼んで欲しいな」
と言った。僕はわかったと言うと
「それじゃ、ハイ、今私の名前を呼んで」
彼女は僕の顔を見てにこやかに言う。
僕は少し緊張しながら
「ま、ま、真白、今日は一日楽しい時間をありがとう」
と言うと、彼女は顔を赤くしながらこちらこそ今日はありがとうと言った。
そして僕に不意打ちにキスをした。
その時、僕にとても激しい頭痛とともに色々な記憶が蘇ってくる。
大学生時代の記憶や恋人とのキス、そして就職に結婚。
きっと僕はこのキスで全ての記憶を蘇らせた。
僕は凄い頭痛に襲われながら徐々に目の前が暗くなっていき、気がつくと真っ白な場所に居た。僕は一体ここはどこだろうと思いながら歩き回ると久しぶりに宇美が僕の前へと現れ
「久しぶりだね、翔太さん」
僕はそうだねと言うと
「君は全ての記憶を思い出した。元の世界の記憶を」
宇美はそう言って僕に近寄り
「後はあなたが自分で目覚めたいと心の底から願うことで、あなたは元の世界で目が覚める。後は君の願う力だけさ」
そう言って宇美はまた消えていく。
訊きたいことがまだある僕は彼女に声をかけるが、彼女は消えてしまった。
僕は彼女の言った、目覚めたいと心の底から願うだけという言葉を信じ
「どうか、元の世界に戻れますように」
と願った。
すると僕は急な眠けさに襲われその場で倒れ込むように寝た。
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