The Seventh Day

朝。

ウチと栞は眠いながらも事務所を出る。

この1週間、色々あったなと思いながら。

現在時刻は5時45分。


「瑠果、朝食をどっかで買ってこうよ」

「そだね」


セブンに入るとそれぞれ好きなものを買って食べながらあるき出す。

眼の前に立ちはだかる警視庁は何故か、いつもとは違って眩しいオーラが放たれていた。


「お、来たか。さ、乗ってくれ」


警視庁の前で路駐していた原田っちがウチらの姿を見ると運転席から顔を出して言う。


「おはよ〜原田っち。元気そうだね」

「馬鹿言え。マトモに寝てねぇよ。仕事が詰め込んでたから」

「大変だね」


そう言いながら2人で後ろに乗り込む。

と、同時に車が発進する。


「原田っち、例の学校に着いたらまずウチらだけで中に行くから原田っちは外で待機してて」

「分かった」

「あ、あの学校だね」

「どの辺で待ってれば良いんだ?」

「校門のところで」

「了解」


車が停まるとウチらはジャケットを羽織って外に出た。

駐車場を見ると、校長の車が無いので校長はまだいない。


「失礼いたします。私、こういうものでして、校長が来るまでここで待機していてよろしいですか?」


ウチが職員室に入ってそう言う。


「も、勿論です」


職員は驚いていたようだったが、分かってもらえて何より。


「ねぇ、瑠果。どうするの?」

「とりあえず栞はをよろしく」

「よろしくって・・・・・・あぁ、そういうこと・・・・・・」

「分かってもらえて何より」


そんなことを話していると、噂の林校長が入って来た。


「林校長、探偵さんたちがお見えです・・・・・・」

「あぁ、向かう」


そう聞こえてウチらはふぅ、と息を吐く。


「すみません、待たせましたね」

「いえいえ。良いですよ」

「それで・・・・・・例の誘拐事件の件なんですが・・・・・・」

「あぁ!そのことでしたか。昨日依頼をしたのにもう解決したと言うんですか。素晴らしい」


態度が白々しい。

今からあなたが犯人ですよ、と言ってその後の反応を見たい。


「して・・・・・・そんなことをやってる外道は誰です!?」


あなたですよ。


「ま、まぁ落ち着いて下さい」

「私は我が校の生徒が危険にさらされるのが許せない。そいつを私の手で地獄に落としてやる!!」


自殺はダメですよ?

もう少し布石を打って面白い反応を見ようかな。


「さて、本題に移りまして・・・・・・。事件が直近で起こったのはいつですか?」

「昨日です。その生徒はなんとか逃げ切ったそうです。これからその人のことを教員に聞きに行くところです」


ハイ残念でしたー!!

昨日は栞だし、原田っちに他言しないように念押ししてある。

だから自分が犯人でない限り、その情報は知らないはず。

フッ、語るに落ちるとはこのことよ。

さて、ここからどう攻めようか。


「林校長、その情報は何処で聞きましたか?」

「警察から連絡があったよ」

「林校長、大変恐縮なんですが、その情報・・・・・・

「・・・・・・どういうことですか?」

「しかも、昨日はこの学校の生徒は誰も襲われていませんよ?」

「い、いや、間違いなく―――――ハッ」

「間違いなく、何ですか?」

「私はその情報を聴いた」

「いや、その続きはおそらく『昨日は確実に本校の生徒だったのに』ってところですよね?林校長・・・・・・。いや、一連の事件の犯人さん?」

「何のことだか・・・・・・」

「昨日、囮に出したのは栞だよ」

「イェイ」


ピースするな。


「そんな、馬鹿な!?」

「ウチら、この学校の卒業生なんだよね。それで偶々学年カラーが同じだったから」

「囮に出したというのか!?」

「そーだね。さぁ、校長。今のは認めたようなものだけど・・・・・・」

「目的は何なの?」

「・・・・・・」

「ちなみに、もうすぐで警察も来るので」


もう来てるけどね。

校長は立ち上がると、そうか、と言いながら職員室を出ていった。

勿論、この後強行突破しようとした校長は原田っちにより確保されてた。


 ◇◇◇◇◇



「―――できた」


石川瑠果が最後の文を書き終わり、ノートを閉じる。

表紙には『石川瑠果の1週間』と書かれていた。

現在彼女らは15歳。

最後のJC生活を満喫中。


「原田っち警部にしたの天才だと思う」


隣には大田栞がいる。


「今度原田っちの授業終わったらこの話読んでもらおっかな」

「苦笑いされる気しかしない」


2人は共に笑いながらそのノートを大切そうに仕舞った。




――――9年後、2人が書いたこの話が現実になることはまだ誰も知らない――――。





≪The Seventh Day was Finishing, And To be continued...≫


あとがき

今回の小説は様々な方の協力に寄って成り立ちました。

協力していただいた方々、本当にありがとうございました。

最後に、一言ずつもらいたいと思います。


石川瑠果役:『文◯トの漫画ほしいなぁ』(協力して頂いたので1冊なら)

大田栞役:『弾丸が当たった本を弁償させたい』(林校長にお問い合わせ下さい)

原田警部役:『おつかれ!!!』(ありがとうございます)


ありがとうございました。

『石川瑠果1週間』で出て来た人達は気が向けば『キミの最後の推理は』の方へ入れたいと思っております。

お楽しみに。


最後になりますが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

これからも雪花涼麗せつかりょうれいをよろしくお願いします。


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石川瑠果の1週間 雪花 涼麗 @nEzum1

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