The Second Day (2)
昨日とは違ってス◯バで軽い昼食を
頭痛いから何も食べる気が起きないんですけど・・・・・・。
せっかくだし食べますか。
「瑠果ぁ、疲れた」
「はいはい。奢r・・・・・・。ゆっくり休んで」
危ない危ない。
奢るって言ったらウチの財布を無視して食べ続けるからなぁ。
ウチと違って遠慮という言葉を知らない。
「今、奢るって言った?」
「言ってない」
「言ったよね?」
「言ってない」
「言った?」
「言った」
「言ってないのか――――ってえ?」
「奢りません」
全く、仕方ないなぁ。
「じゃぁ、奢る変わりに事件解いて」
「・・・・・・無茶言うな」
「ん、じゃぁ文◯トの漫画で」
「マジか―――――。じゃぁいいや」
「いいんかい」
ウチは手帳を出す。
「そんなことよりもまとめるよ。まず、遺体は確実に埋葬された」
「瑠果の言う通り。にも関わらず今回の事件が起きた。そうなると次行くのは埋葬した会社?」
「多分そうなるね。でもいちいち覚えているところなんてあるのかなぁ」
「記録には残ってそうだけど埋葬した住職とかは覚えてないっていうのがオチだろうなぁ」
「だろうなぁ」
虚空を見つめるウチら。
なにもないと分かっていてもそこを見つめてしまうというのが人間の心理なのだろう。
何言ってるんだ、ウチは。
原田っちに住所を訊いてウチらはそのまま葬儀場に行くことに。
原田っち曰くもうその住職は引退しているそうだ。
だから直接話しを訊くのは不可能だけど記録はあるかもしれないとのことだ。
「数十年前の学生の埋葬・・・・・・ですか?」
「はい。その記録は残ってませんか?」
「探してみますので少々お待ち下さい」
係の人が奥の資料室と書かれた部屋に入って行った。
「ねぇ、これで何も見つからなかったらどうするの?」
栞に言われるまで何も考えてなかった・・・・・・。
「打つ手なし、だけど田島さんに訊くのはいいかなと思う」
「あぁ、容疑者の?」
「うん。多分なにか知ってるんじゃないかな?」
「多分何も知らないと思う」
「えぇぇ・・・・・・。そんなことはないと思うんだけど・・・・・・。それでもだめだったら一番古い足取りを掴んでそこに行くしか無いよね」
「ダルぅ・・・・・・。やっぱり奢ってもらえばよかったかな・・・・・・」
「つべこべ言わないの」
全く、すぐにそうなるんだから。
「あ、きたきた」
栞が資料室の方を見ながら小声で指差す。
本当だ。
「今確認して参りましたところ、許可が降りましたのでどうぞあちらの資料室でお調べになって下さい」
「ありがとうございます」
無事入ることが出来たので全力で捜査をしよう。
「栞、いい?とりあえず稲が関連してそうな葬儀のデータを見つけ出して」
「瑠果こそ途中で諦めないでよ?大変なんだから。それと取ったファイルは元の場所に戻すこと。瑠果の部屋みたいなことにしちゃだめだよ?」
「なんで知ってんの?」
「え?見たから」
なんで見てんだよぉ・・・・・・。
大体整理は苦手なんだって。
◇◇◇◇◇
探すこと約2時間。
栞がこっちにファイルを持ちながらやってくる。
「もしかしてこれじゃない?」
「ん〜・・・・・・?もしかしなくてもこれだね」
「お、流石私だね」
「自画自賛も程々に」
「見つけたんだからいいじゃん」
「まぁそうだけど」
そんなこと言ったらそっちの棚を担当してた栞の方が断然有利じゃん。
「それで、なんて書いてあったの?」
「今から読むところ」
「えーっと・・・・・・」
他のものと変わったところがないため、本当に無策となってしまった。
埋葬を担当した住職は・・・・・・加藤って言う人か。
その人に聞きに行ってみるか。
「この人が今何処に住んでるか聞けるなら聞こうか」
「そうだね。そうすればある程度覚えてることがあるかもしれないね」
ウチらは受付の人に訊くことにした。
「すいません。この加藤っていう人が今何処に住んでるかご存知ですか?」
「流石にそこまでは私では・・・・・・」
「加藤なら今横浜に住んでるらしいよ」
近くで話を聴いていたのだろう住職が口を挟んできた。
「住所かい?この紙に書くから少し待って」
受付のところから紙を取り出すと、スラスラと書いてウチらに渡してきた。
受け取り、次はそこに行くことにした。
横浜かぁ。
遠いなぁ。
◇◇◇◇◇
「十数年前のことなんか覚えてませんよ・・・・・・。書類を見せてもらったら思い出すかもしれないですけど・・・・・・」
「書類ですか?どうそ。多分これですよね?」
「葬儀場のところのファイルを貸してもらったので」
ウチが渡すと栞がさり気なく補助する。
「少し思い出すので待って下さい・・・・・・」
加藤さんはその書類に目を通し始める。
「・・・・・・!!あの葬儀か・・・・・・!!」
「なにかご存知ですか?」
「まぁ、知ってるには知ってるが人様に話せることではない」
「なんでもいいんです。できるだけ多くの情報がほしいだけなんです」
「ここでおっしゃった事は他言しないと誓います」
「・・・・・・。分かった。話そう。あの葬儀の前に私は頼まれたことがあったんだ」
「何ですか?」
「遺体をすり替えてほしい、と」
「それは誰に、ですか?」
「田島、と言っていた」
「・・・・・・田島、ですか?」
「あぁ。何に使うのか利いたらはぐらかされてしまってな」
「ありがとうございます。その情報があれば大丈夫です」
「そうか。また何かあったら来てくれ」
「ありがとうございました〜」
ウチらはその家を出ると再び警視庁に行くことにしました。
田島さんにも訊くことが増えてしまいましたね。
「栞、帰るよ〜」
「は〜い。って言っても警視庁でしょ?」
「まぁね。ちなみに田島さんに訊くことは何かある?」
「瑠果が考えてること以外特に無いけど・・・・・・まぁ、稲さんとどういう関係だったかくらいじゃない?」
「そうだね。それも訊かないと」
ウチらは帰りの電車に乗りながら言った。
いや、東京遠い。
行きとは違って遠い。
ちなみに、栞は電車の中で爆睡してた。
ウチも寝たい。
◇◇◇◇◇
「なるほど。そんなことがあったのか」
原田っちにすべてを離すと頷きながらウチに紙を見せてくる。
「何?これ」
「読めば分かる。結構重大なことだ」
栞にも見えるように紙を広げる。
田島・・・・・・前科?
「どういうこと?」
「前科があるらしい。それに、その事件にも稲は関わっていた」
「なんだって?」
「残念だが、これは冗談でもなんでも無い。そして更に困ったことなんだが、田島が半分自殺しかけて、今は警察病院で安静にしてる」
「もう時間も時間だから今から聞きに行くのもなぁ〜・・・・・・」
「悪いが明日にしてくれないか?」
「別に良いよ」
原田っちの頼みをそのまま受け入れるとウチは紙を懐にしまう。
家でゆっくり読むとしよう。
ゆっくり読むようなことでもないんだけど。
「ねぇ、瑠果。家でしっかりとまとめよう」
「そうだね。――――って栞またウチに泊まるの?」
「別にいいじゃん。もう何回目って数えきれないし」
苦笑いをしながらウチは栞を泊める覚悟をした。
【前科データ】
名前:田島
罪状:不法侵入・窃盗・殺人未遂
年齢:14歳(逮捕現在)
詳細:研究所からサリンを持ち出し様々な方法で使用しようとしたことが後に発覚。
サリンによって秋山を殺害。
服役中に逃亡を確認。
現在追跡中。
重要指名手配中。
≪The Second Day (2) was Finishing, And To The Next Story...≫
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