大丈夫
あー…どうしよう。
いつ打ち明けよう…。
寝言で無意識に伝えられたらいいのに…ってそんな状況あるわけないし。
手紙で伝えるとか…キモいし。
るなさんに伝言してもらう…とか絶対ありえないし…。
あ、レナちゃんちにヘルメット姿で現れてみる?
…ないない。
それにそんなことしたらレナちゃん、あのときのおそろしい事件思い出しちゃうかもだもんなー。
困ったなー
…
いいネタバレが思いつかない。
ネタバレっていうのかな…。
そんなことより、レナちゃん明日ピアノのコンクールなんだよな。
大丈夫かな…。
明日の土曜日少しだけ時間くださいって言われてるけど、コンクール前にどうしたんだろう?
…これってお花とか持って行くやつ?
コンクールの演奏後って、お花…渡してるのよく見るよね?
でも…オレはそんなことできない…かな。
そのかわり、お疲れ様会を後でするとしよう。
うん。
自己解決して、コンクール前のレナちゃんにあった。
控え室のドアをコンコンとノックすると明るい声で
「はぁい!」
と返事が返ってきた。
ホッ。
レナちゃん元気そうでよかった。
ガチャっとドアをあけるとドアの向こうにキレイな衣装にメイクをしたレナちゃんが立っているじゃないか。
バッチリメイクも似合うなぁ。
もう、ドアをあけた瞬間オレの目に飛び込んできたレナちゃんが神に見えたわ‼︎
もう…レナ様って呼ばせていただこうか…な、ってくらいの神レベル‼︎
見えるはずのないオーラが見えた気がした。
「レナちゃん、きれいだね」
「ありがとうございます。」
恥ずかしそうにする感じもまたかわいい。
「あの…わたしいつもコンクールの前って震えがとまらないんですよね…」
「あー、緊張するよね。でも大丈夫だよ。たくさん練習したんだし。大丈夫だから」
オレはレナちゃんのセットした髪が崩れないようにそっと抱きしめた。
「慶ちゃん先輩…もう一度大丈夫って言葉言っていただけますか?」
…やっぱり気づいてるよね。
オレ…あの事件の時も大丈夫だよって何回もレナちゃんに声かけしたんだよね…。
…
レナちゃんに言われるまま、声かけをした。
「大丈夫だよ。大丈夫だから。」
と。
「あの…先輩…」
「うん。あのとき助けたのはオレなんだ。ずっと黙っててごめん。」
「いえ、嬉しい‼︎あのときは、ほんとうにありがとうございました!」
「うん。」
レナちゃんは、やっとあえて嬉しかったみたいで少し目をうるわせながらもホクホク顔をしていた。
「でも…なんで言ってくれなかったのですか?」
きた…その質問…。
「あー、それは…」
もしかして今日も…履いてる…かもな。
…
「それは、なんですか?」
…
「ごめん‼︎オレあのときレナちゃんのパ…パンツみちゃってさ…それで…」
「えっ、そ…そうだったんですね。あー、パンツを…ねー。」
少し動揺するレナちゃん。
「ごめんね?」
「あっ、先輩は悪くありませんよ…。それはわざとでは、ありませんし…。あ、お茶を飲んで落ち着きましょう。」
あっ!
高いヒールを履いていたレナちゃんが躓いた。
パラン
あ…
また見えてしまった…
推しのねこってかいてあるパンツを。
プッ
やっぱり、まだああいうパンツ履いてるんだ。
「あーっ、今笑いましたねっ⁉︎また見たんですね⁉︎」
「いや、偶然…偶然みえて…」
「も〜っ…恥ずかしいけど先輩と話してたらなんか緊張がほぐれました。ありがとうございます!」
とにっこりするレナちゃん。
もぅ、かわいいでしょ〜よ‼︎
「なら、よかった。じゃあもっと緊張ほぐしてあげるね。」
「えっ」
オレは、じっとレナちゃんを見つめて
チュ〜♡チュッ、チュ〜ッ♡っとした。
「じゃ、頑張ってね。」
「あっ、はい!」
レナちゃんは、一瞬とろ〜んとした目つきになり、大丈夫か⁉︎やりすぎたか⁉︎と焦ったが、後で聞いたらおかげさまでうまくいきました‼︎と嬉しい連絡をいただいたので安心した。
もう、隠し事はない‼︎
あー、やっと言えたわ〜。
スッキリしたオレは今、レナちゃんの家にいる。
紅茶をすすりながらレナちゃんのピアノを聴いている。
「どうですか?」
「うん。優勝間違いなし‼︎」
「ありがとうございます。」
「「ふふ」」
二人で顔を見合わせてそのあとキスをした。
チュ〜♡
オレたちの出会いは、事件から始まった…が今、まさに事件勃発ですっ‼︎
こ、これはいかがなものでしょう⁉︎
「はい、クッキー焼いたの。あ〜んして♡」
「あ、あ〜ん♡」
と、イチャイチャが暴走中なのでありました。ま、そんな事件ならどんどんいらっしゃいだ♡
おしまい♡
人助けをした。でも、とあるものを見てしまい身バレしないようにしていました…が‼︎これは一体… 猫の集会 @2066-
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