キス
オレをじっと真剣な眼差しで見てくださるじゃないか!
この真っ直ぐな瞳に吸い込まれそうだ。
三野川さんの瞳にオレが映っている。
そしてオレの瞳にも三野川さんが…。
もうこれは、キスを抑えられません…。
好きなんです。付き合ってください。とか言ってる場合じゃない!
だれか…オレを止めてください‼︎
オレはもう止められる自信がありません‼︎
顔が三野川さんの側まで来てしまいました。
オレは…もう…
限界ですってーー‼︎
…
「好きだよ。」
とひとこと言い残し三野川さんにキスをした。
チュ〜♡っと。
拒絶されておりませんっ‼︎
むしろ…むしろ愛を感じます‼︎
それにしても薄いくちびるだと思っていたのに、意外と柔らかくてびっくりした。
そして人肌の温もり。
三野川さんの体温をくちびるから感じた。
あつい。
きっとオレも今体温が爆上がりしているかもしれない。
キスをした後、このまま離れてしまってはもったいない。
それに、どんな顔したらいいんだよ…。
オレはキスをしてから三野川さんを抱きしめた。
そして、今度は顔を見ないまま三野川さんを抱きしめつつ、
「レナちゃんって呼んでもいい?」
と聞いた。
すると三野川さんは、
「はい。わたしも慶ちゃん先輩って呼んでもいいですか?」
と言い出すから、オレはガバっと離れて
「えっ、なにその呼び方〜」
と笑った。
「だって、そう呼びたいんですもの」
と三野川さんが真面目な顔でいうから、
「わかったよ」
と、返事をした。
そして、もう一度レナちゃんを抱きしめた。
「レナちゃん、あったかい。」
「はい。慶ちゃん先輩もあったかいです。それになんだか…なんか…。ううん。なんでもありません。」
とレナちゃんは、言葉をのみこんだようだった。
「なに?ちゃんと言わないとお仕置きするよ?」
少し困った顔のレナちゃん。
もう、かわいいでしょーよ‼︎
チュ〜♡
「こんなお仕置きなら大歓迎です。ずっとしてください。」
なんて言われたから、もうヤバいでしょ〜‼︎
チュ〜チュ〜チュ〜♡
あー、すげーなー。
お互いを求めあうって最高じゃんって思いながら、愛を確かめ合った。
レナちゃんがオレを好きでいてくれたことがよくわかる。
たぶん…今のオレの態度でレナちゃんにも充分伝わっただろう。
かなり長いことキスしたり抱きしめあったりした。
この時間や温もりを箱に入れてとっておきたいくらいだ。
レナちゃんは、さっきもしかしたらオレに以前ハグされたことを思い出したのかもしれない。
助けた時の抱きしめ方とかが似てるって。
でも、万が一それがオレじゃなかったらと思い、いうのをやめたのだと思う。
きっと気をつかってくれたに違いない。優しいこだ。
いつか…いつかきちんと、あのとき助けたのはオレだと言わなきゃな。
あと…
パンツみたことも正直に謝らないとだな。
レナちゃんを送って家に帰ってからもオレは幸せの沼に浸かっていた。
あー、最高だったなー。
あの温もり…くちびるのあたたかさ。
ハグしたときの心地よさ!
もう、早くあいたい‼︎
なんなら、同棲したい‼︎
そしたら、いつもとなりにいてくれるんでしょ?
ハグしたいとき、いつでもできるんだよね?
キスし放題なんだよね⁈
…最高っじゃないっすかーー‼︎
でも、まずそうなるためには生活力をつけなくては‼︎
まずやるべきことは…筋トレ‼︎
じゃなくて勉強‼︎
オレは、その日から真面目に勉強に取り組んだ‼︎
素敵な目標があるとやっぱ頑張れるわー。
てなわけで、恋も勉強も順調だ。
るなさんには、オレたちが付き合いだしたことをレナちゃんが報告してくれたらしい。
オレもきちんとお礼しなきゃだな。
なのでるなさんにきちんとご挨拶をするため教室へ伺った。
「るなさん。色々とありがとうね。」
「あー、はい。あなたすごいですね。」
「えっ?」
「だって、レナは事件で助けてくれた人を絶対見つけて告白するんだっていっていたのですが、あなたが現れてから心穏やかになりつつ、レナの心の扉をひらいてあの頑なだったレナの気持ちをかえてしまったのですから」
と、淡々と話してくれるるなさん。
そっかー。
そうだったんだなー…。
でも、昨日のハグでレナちゃん気づいたかもだよね?
きちんと話さないとダメだよね!
よし‼︎
ちゃんと向き合おう‼︎
「ありがとうね。るなさん!」
「いえ、お礼に飴なんて悪いですね。」
と、飴を遠慮…しつつ?請求してきたるなさん。
ぷっ、やっぱりるなさんはいつも通りに戻ったようだ。
後でわかったのだが、るなさんはわざとオレにイチャイチャをしてきて、レナちゃんがヤキモチをやくように仕向けていたそうだ。
好きなくせに、前に助けてもらった人にこだわっていたから。
それも悪くないけど、好きなら今を逃すと後悔するんじゃないかって思ったらしい。
やっぱり優しいお友達だ。
ま、相当不思議な人だけどね…。
るなさんって。
続く。
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