好き⁇

 るなさんがくれたアドバイスは、まさかの…

 

「ドアは、あければあきます。」

 だった。

 

 …⁇

 

 え?

 

 うん。

 

 よくわからない。

 

 よくわからなかったけど、

「あー、そうだよね…」

 と返事をしておいた。

 

 するとこんどは、

「あなた、持っていますね‼︎」

 とるなさんは目を大きくしながらオレをじっとみた。

 

 …え?

 るなさん…透視できるんだ⁉︎

 

 すごっ‼︎

 オレさっき友達から飴もらったんだよね。

 

 オレがポケットに飴二個持ってることよくわかったなーとびっくりした。

 

 で…るなさん、飴が欲しいんだろう。

 きっと。

 

 オレの大好きなヨーグルト味…

 さっき友達からもらった大好きなヨーグルト味…二個あるし、一個だけならいいだろうとポケットから飴をゴソゴソとして一つ掴んでるなさんに渡した。

 

「はい、これあげるよ」

「えっ⁉︎いいんですか⁇」

「だって持ってるって言うから欲しいのかと…」

「あー、その持ってるじゃなかったですが、まぁいいでしょう。そんなに言うならありがたくいただきます。」

 

 と、飴に手を伸ばするなさん。

 

 あ…透視できるわけじゃなかった…⁉︎

 

 ま、いいか。

 

 

 るなさんは、飴を受け取るとすぐにモグモグと飴を食べ出した。

 

 パリパリカリカリ

 

 か、噛んでる…

 

 この味を堪能せずに一瞬で噛み砕くるなさん…

 

 わんぱくかよ‼︎

 

「あー、美味しかったです。」

 一瞬の出来事だった。

 

「あぁ…うん」

「それじゃ、わたし部活がありますのでドアおし頑張ってくださいねー」

 と言い残し行ってしまった。

 

 …ドア。

 

 よくわからなかったけど、きっと助言してくれた…んだよね⁇

 

 ドアの意味がよく不明だったけど、とりあえずドアに関することから実践とおもいボランティアの日、三野川さんがくるのと同時にドアをあけてあげた。

 

「さ、どうぞ。」

 と。

 

 するとクスクス笑いながら、

「え、なんです?レディーファーストですか?ありがとうございます。」

 といいながら教室に入る三野川さん。

 

「あぁ、そんな感じです。」

「ふふ、先輩面白いですね。」

 

 ‼︎

 

 面白いきたー‼︎

 

 つまらないやつよりも面白いでいたいオレは、少し嬉しかった。

 

 るなさんは、オレにドアをあけるように促したかったのかな?

 

 ‼︎

 手⁉︎

 

 もしかして、手が痛いの⁉︎

 

 三野川さんの手を慌ててみるが…異常なしだった。

 

 なんだ…

 手を痛めてるからドアがあけられないんじゃなさそうだな。

 

 もう直接きいてみる⁉︎

 …なんて聞く⁇

 

 開かないドアあります⁉︎オレがあけますよ。とか?

 

 はい?って言われるよなー…

 

 うーん…

 

 よくわからなかったけど、とりあえず帰りもドアをあけてあげた。

 

「ありがとうございます!」

 と喜ばしい笑顔がいただけました‼︎

 

 …でも、ドアあけてあげるってわけじゃない気もするんだけどなー…。

 

 るなさん…もっと詳しく教えてくださーいっ‼︎

 るなさーーんっ‼︎

 て、聞こえるわけがない。

 テレパスじゃあるまいしな…。

 

 ‼︎

 

「って…るなさん⁉︎なぜそこにっ⁉︎」

「あー、レナに忘れ物届けに。」

「そうなんです。よくわたし忘れ物するんですよ。さっき持っててもらったプリントそのままだったみたいで。」

「もー、ほんとだよ〜、部活中思い出してさー。でも間に合ってよかった。じゃね!あ、さっきは、牧田先輩美味しい飴ごちそうさまでした〜。」

 と慌ただしくるなさんは、部活に戻って行った。

 

「プリントよかったね。」

「はい。るな飴が好きだから帰りに飴買って帰ろうかな。」

「あー、るなさん飴食べるの早いよね」

「えっ、てか…るなと仲いいですね。」

「あー…まぁ。」

 

 仲良いっていうのかな…。

 

 なんか微妙な沈黙の後、三野川さんがいきなり、

「好き…なんですか?」

 と聞いてきた。

 

 ⁉︎

 え?

 この場合…話の流れからすると…るなさんを⁇

 

「えと…」

 

 オレが好きなのは、三野川さんです。って言いたかったけど、言えるわけもなく…るなさんは、後輩であり、いいお友達だよって答えようとしたら、

「あっ、飴がです‼︎先輩は飴好きですか?」

 と慌てて何かを訂正しようとする三野川さん。

 

「あー…うん。好きだよ」

 

「すっ…好きなんですね…」

「うん。」

「なんか響きがドキドキしますね。」

 

 響き?

 

「ん?響きって?」

 

 …

 

「その…好きって」

 

 ⁉︎

 な、なんだ…

 

 このピュアな会話。

 

 恥ずかしくなってきたぞ⁉︎

 

 それに、ドキドキするっ‼︎

 ドキドキついでに楽しんでしまおう‼︎

 

「三野川さんは、好き?」

 

「…へっ⁉︎あっ…その…わたし…好きかもしれません。」

 と顔を赤くした。

 

 えっ⁉︎待って‼︎

 

 えっ⁉︎

 

 オレが聞いたの飴の話だよ⁉︎

 

 待って…‼︎

 

 飴が好きで赤くなる人いる⁉︎

 

 もしかして、オレの事好きってこと⁉︎

 

 え?

 三野川さん…オレの事好きーーっ⁇なの⁇

 

 調子に乗ってしまいすぎた⁉︎

 でも、確認必要じゃねっ⁉︎

 

「えっ、三野川さんもしかして…」

 

「あっ、飴がですよっ?飴が好きです。好き好き大好きです‼︎」

 

 三野川さんがあんまり好き好き連呼するから、通りすがりの人にジロジロと見られてしまった。

 

「あ、うん。とりあえず…帰ろっか」

「あ、そ、そうでした。ごめんなさい。大きな声で好き好きと…。」

「ううん。オレも好きだし」

「へっ⁉︎」

「飴がね!」

「あ、そうですね!飴が‼︎ね…あははっ」

「うん。ねっ」

 オレがニッコリすると恥ずかしそうに頷く三野川さん。

 

 あーーーー‼︎

 くすぐったい‼︎

 

 心がっ心がくすぐったいってーーー‼︎

 

 ヤバいだろ‼︎この会話‼︎

 

 飴をくれた友達にもるなさんにも感謝だな。

 

 ポケットの中で飴がなんだか光っているような変な感覚だった。

 まぁ、光るわけないけど、でも…飴ってすげ〜な。

 

 今度から飴を常備しよう‼︎と心に決めた瞬間だった。

 

 

 続く。

 

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