第3話 メイの海

同じモノが欲しいんだなぁって、なんとなく感じるときがあるの。

友達でもなくて、知り合いでもなくて、まぁったく知らない誰かを見つけたとき、僕はどーしてもどぉーしても、一緒だねって言いたくなったんだぁ。

普段はそんなことないのにねぇ。


…・…・…


ただただ広がる海の青。

砂浜にピョンッと飛び込むと、足が包み込まれていった。

なんだかホッとして、一歩、二歩。

三歩に四歩、五歩と続いて立ち止まる。

大きく大きく大の字に寝転んだ。

目を閉じ、頭をグリグリ押しつける。

辛くて辛くてたまらなかった心が、溶けていく気がした。

溶けたところでまた、固まるのだけど、それはそれ。


「砂浜もいいなぁ。…帰りたくないわぁ」


ふと、海の青さが気になって、足を運んだ。


何かいる。こわっ。


よく見ると、人だった。

ただぷかぷかと浮いている。

かと思えば時折り海の中へと沈んでく。

生きているかなと不安になったけど、自分の意思で泳いでいるらしい。

僕は、着替えなんかないのに、靴を脱ぐ。

海は冷たくて、心地良い。

海の青さに包まれながら、誰かを待ち侘びる。

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死にたいというけれど 灰雪あられ @haiyukiarare

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