第27話決着そして別れ

ロケットランチャーをみんなに持ってもらい、放つ場所、角度、それらを女王の指示で決めた。

そして狙いをキマイラに定めた。



キマイラの回復し始めた状態が目につき、引き金にかけた指が震えた。


ただ引くだけ。そう思っても、緊張が襲ってくる。


よし…打つ覚悟を決めた、その時…山羊の顔が遠くから飛んできた。


危ない!

ミッシェルが飛び出して山羊の顔に向かった。


ミッシェルが離れランチャーが少し重くなり、動いた。

おじさんも手伝って!


ベーカリーに持ってもらい、肩に乗せたランチャーはかなり軽くなった。


ロケットランチャーの発射位置を修正した。


山羊の顔を斬ったミッシェルを見て安心した私は引き金を引いた。


ランチャーから放たれた、その音は耳を突き刺すほど凄まじく、その轟音が辺りに鳴り響いた。



キマイラは体が吹っ飛ばされ、ライオンの顔が怒りに満ちた眼差しで私たちを睨んでいる様だった。それらは、静かに消滅していった。


やりましたね! 一発命中ですよ。ゲームなら百発百中の称号取れます。と女王が緊迫した静寂をはらうように言った。


女王様ありがとう! みんなありがとう! と私は緊張が解けて涙が出て来た。


終わったね…疲れた。

ゆっくり寝たいよ、今日はママと一緒に寝る。とリエルが甘えるように呟いた。


そうね…今日はママと一緒に寝ようね。とミカエルが答えた。


それを聞きみんな笑顔になった。



私はこれで失礼しますよ。あなたには借りができました。会う事があればその時には言ってください。

借りを返したいのでね。とベーカリーが言い、魔法のじゅうたんに乗った。



うん。大変な目にあったもん。ちゃんと返してね。と私は微笑んで言った。


ベーカリーも笑顔で答え、そして遠くに消えていった。


女王様はこれからどうします? と私は聞いた。


そうね…国には戻れないわ。どうしましょう。ミカエルさんにお世話になろうかしら?

と女王がミカエルを見て言った。



分かったわ、私の隠れ家に一生に行きましょう。色々お話し聞かせてね。とミカエルが返答した。


ミッシェルは? と私は聞いた。



僕は自分の国に戻るよ。自分をもっと高めていきたい。何かあれば言ってもらえればいつでも助けに行くよ。

とミッシェルがウインクして言った。


自分の国か…そうだ、私もそろそろ自分の世界に帰らないと、家族が心配する。とミカエルに言った。



そうね…じゃあ私の手に捕まってあなたの世界に戻るわ。

 

ガブリエル、すぐ戻るわね。とミカエルが言った。


うんママ。ミカありがとう。また会いましょうね。とリエルが抱擁した。


うん、また会おうねリエル。その時は一緒に街巡りしようね。と私は呟いた。


しばらく間があった、のちミカエルが行きましょうかと言った。


うんみんなまたね! バイバイと私は微笑んで言った。私の姿が元の世界に戻って行った。



そう言えば、お父様はお元気? 

と女王がガブリエルに聞いた。



ううん、クロノスにやられてしまったの。だからいつかクロノスにも勝てるように強くならきゃ。とガブリエルは返答した。



そう…それはごめんなさい。クロノスか…この世界を支配するつもりなのかしらね?

と女王が聞いた。


そんな事はさせないよ。とガブリエルは言った。


もしクロノスと戦う時があれば、僕も手伝うよ。とミッシェルが言った。


塔から降りられる? 手伝いましょうか? 

魔法剣があるから飛べない事もないけど、まだ魔法使える?


大丈夫よ。じゃあ降ろすわねとガブリエルは言い空を飛んだ。


そして地面に降りたち別れの挨拶をした。


あれ見て、モフモフした白い動物がいる。とリエルが目をキラキラして言った。


本当だ、あれ見かけると奇跡を起こせるらしいよ。とミッシェルが伝えた。

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