第25話再開
やはり先に仕掛けたのは、コントロールが効かないからであろうか?
キマイラの方だった。
空中から一気に降下してきた。
山羊の顔がツノで、ベヒーモスの無事な方の右目を狙って来た。
それを間一髪交わしたベヒーモスは、逆にキマイラの山羊の首をツノで突き刺した。
キマイラはベヒーモスを離さそうと、そのまま引きずって移動した。
だけれど、ベヒーモスのツノは離れなかった。
完全に刺さっている。
しかし、それはキマイラの頭脳戦だったのかも。離そうとしたのではなかった。
それは、蛇の顔があったところに行ったのだ。
蛇の顔は離れても、動かせたのだ。
ツノが刺さっていたベヒーモスは身動き出来なかった。蛇の顔がベヒーモスの右目に襲いかかった。
蛇の鋭い牙がベヒーモスの目に刺さり、ベヒーモスは両目が使えなくなった。
それでもベヒーモスは、力を振り絞って山羊の首を斬るように離した。
そして倒れるように蛇の顔を潰した。
良い仕事したわベヒーモスとミカエルが言い、ベビーモスを消した。
後はもう一体召喚して、倒せれば…もし駄目なら、きさらぎちゃんだけ元の世界に返すわね。とミカエルが言った。
それは駄目…一緒に帰ればと心で言った。
それは、50階に残った仲間達がいる。
他の人を残してこのままには出来ない。と言う思いが交錯していた。
私はここにまだ残るよ。一緒に最後まで戦う。まだ私は魔法が使えると力強く言った。
きさらぎちゃん…ありがとう。
最後の召喚をするわね。
レヴィ…とミカエルが唱える前にキマイラのお腹からかすかに声が聞こえた。
トルネードツイン!
キマイラのお腹が割れた。中からベーカリーが出て来た。
おじさん!
生きてたんだね!
と私は叫んだ。
やれやれ子供相手に向きになった報いを受けましたよ。とベーカリーは反省の言葉を口にした。
食べられる直前にバリアを張ったのでなんとか無事でした。とベーカリーが説明した。
そうね召喚者が亡くなってないから、キマイラも消えない。
でないとこの世界、召喚獣に滅ぼされてしまうもの。とミカエルが説明した。
おじさん、 50階に残ってるみんなここに呼べる? ミカエルに合わせたい人がいるの。
ええ、それならお安いご用ですよ。呼びましょう。
それにしてもキマイラ相手によく生き残りましたね。
それにしても…上で何が起こってるのかな?
とミッシェルが言った。
遅いわね…このまま待つのも…ん?
クリスタルの破片が辺り一面に光輝く。
ベーカリーが50階にいるみんなを頂上に移動させた。
ここは? ワープされて来たのか。とミッシェルが驚きながら言った。
そうね、あっ!
ミカ無事だったん…マ…マ?
ママ!
ガブリエル!
2人が走ってお互い抱き合った。
ママ良かった会いたかった。リエルは思いっきり泣きながら言った。
うん。きさらぎちゃんに会って色々あって、呪いも解いてもらえたの。とミカエルがリエルの髪を撫でながら言った。
その姿は2人とも天使の様だった。私は2人を見て感動して涙が溢れた。
ありがとうミカ。
ミカのおかげなんだね。こうしてママに会えたのも。
ううん…私もリエルとミカエルに助けられたし。ミカエルって呼び捨てもなんか変だね。泣いて最後に笑って言った。
良いのよ。呼び捨てで呼んで。あなたとは、もう親友みたいなものよ。とミカエルが優しく言った。
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