第22話絆の力、不屈の戦士たち

ドラゴンは緑の鱗に覆われていた。お腹は薄いグレーの色だ。羽が鋭い骨に合わさっていた。

目は鋭い眼光をして見るものを怯ませるほど、恐ろしかった。さらに目の色が赤く染まっていて、その赤い光が暗い塔の中で怪しく輝きを放っていた。


ドラゴンか、硬そうだな。


僕の魔法剣がドラゴンの皮膚に通じるか、試してみるか。とミッシェルが呟いた。


ミッシェルは疾風の速さでドラゴンを切りつけた。


しかし…ドラゴンの皮膚は硬く、ミッシェルの剣は通用しなかった。


やはり硬いか、だけど、ドラゴンの腹は柔らかそうだ。狙いは腹だな。とミッシェルは言った。


私たち見てるだけだなんて。とリエルが悲しそうに言った。


いいえ、あなたにはできる事があります。私が車に隠してあった、このブリキのクマに、あなたの魔法の力を注いで欲しいのです。

と女王は説明した。



どういう事?

それが意味あるの?

とリエルが聞いた。


もちろんこのブリキのクマに魔法を注入すれば、巨大ロボットに出来るのです。そうすれば私はドラゴンと戦えます。と女王が語った。


分かった。残る力を使って、それに魔力を注ぐ。貸して、女王様。とリエルが言った。


ありがとうございます。ミッシェルがその前にドラゴンを倒せれば良いのですが。と女王が言った。


ドラゴンはミッシェルの怒涛の追撃に、手も足も出なかった。


よしとどめだ!

とミッシェルが叫んだ。


ドラゴンの腹に剣が突き刺さった。


その時ドラゴンの尻尾がミッシェルの足を掴んで、そのまま壁にミッシェルをぶつけた。


かはっ、しまった、剣が刺さった…ままだ。

剣がないと僕は弱い。と呟きミッシェルは気絶してしまった。


まずい、リエル…ミッシェルを頼みます。

と女王は言い、駆け足でドラゴンの前に立ち、ブリキのクマを巨大化させた。


リエルがミッシェルに駆け寄り、ミッシェル大丈夫? と声をかけた。


ロボットに乗った女王はドラゴンに掴みかかった。


ドラゴンはいきなりの事に驚いて怯んだように見えた。


ロボットがパンチを繰り出す。ドラゴンは痛みで悲鳴をあげた。


どうこのロボの強さは!

無敵だろーが。と女王が強く言った。


女王様は乗り物に乗ると性格が変わるんだった。とリエルが呟いた。


いてて…一体何が起きたんだ。とミッシェルが驚いて言った。


女王が戦ってるのよ。事情は後、一緒に戦ってあげて。とリエルが頼むように言った。


分かった。魔法剣さえ取り戻せば、倒せる!

とミッシェルが力強く言った。


おらーロボットがドラゴンに馬乗りになりパンチを繰り出すしていた。


ドラゴンは、それに怒って、火を吹いた。


ロボはそれに後退りした。

まずいクマが燃えると女王が慌てるように言った。


その時ミッシェルがドラゴンの腹にのり、魔法剣を握った。


はー!

とミッシェルがドラゴンの腹から上に剣を切った。


ドラゴンは、雄叫びをあげながら消えていった。見事にドラゴンは倒された。


やったー。ミッシェル、女王様やったよ。とリエルが喜びを爆発させて言った。


ふぅお疲れ様!

とミッシェル


ああ私のクマが燃える…粘土で消化と。

と女王が言い、ロボットから降りた。


2人とも無事で良かったです。と笑顔で言った。


うん!

ミカは無事かな。ここからどうやってベーカリーのとこまで行けばいいんだろ?

とリエルが2人に聞いた。


しかし2人とも沈黙した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る