第21話再戦



扉の上を見ると50階と書かれていた。


5階から一気に進んだね。6階とかどうなってるんだろ?

私は疑問を口にした。


細かい事は気にしない。最上階まで一直線だよ。とミッシェルが言った。


そうだね。と私は相槌を打った。


ねぇ、そう言えばミカってどうやってこの世界に来たの?

とリエルが聞いた。


それは迷子になってた時、魔法使いのおばあさんに助けられたの。


それでおばあさんと知り合って、この魔法の国に来たんだよ。とリエルに説明した。


なるほどね。ん? 魔法使いのおばあさん…もしかしたら、私みたいに呪いでもかけられたのかしら?

とリエルが鋭い指摘をした。


そうなのかな?

今度会ったら聞いてみるね。と私は返答した。


呪いか…もしそうなら…それはひょっとして。と私はある考えが浮かんだ。



ミッシェルが扉を開けると、そこには大きな紫色のクリスタルがあった。


わー綺麗、欲しいなと私は思った。


そのクリスタルから辺り一面に煙が立ち上った。


危ない!

罠だ!

とミッシェルが叫んだ。


みんなが咳こむ中その煙がシルエットになり浮かび上がって来た。


盗賊ベーカリーが現れた。


ようこそ。みなさん我が塔にお越しくださりありがとうございます。


早速ですが、私の目的を話しましょう。


私は子供に負けたという屈辱を晴らしたい。

その為キサラギミカさんに再戦を申し込みたい。とベーカリーが穏やかに言った。


その為に杖と玉を盗んだ次第です。

と言っても、私は盗賊なので、正々堂々と戦うなどと愚かな真似はしません。とベーカリーが笑顔で言った。


良いよ。その代わり勝ったら玉を返して。と私は挑戦を受けた。


よろしい! ではそのクリスタルに触れなさい。とベーカリーが言った。


ちょっと、ベーカリーの言う通りにするの?

そのクリスタル触ったら危ないかも。

とリエルが心配そうに言った。


そうかな?

やっぱり。でも言う通りにしてみる。何かあったら助けてね。私はリエルに頼んだ。


もう。とリエルが呆れるように言った。


私はクリスタルに触った。その時光が強くなり、ベーカリーが50メートルぐらいのところに離れて立っていた。


さて、決着がつくまであなた方は暇でしょう?

私からプレゼントしますよ。ドラゴンをね。

とベーカリーが言った後に、紫のクリスタルが砕け散り、ドラゴンのシルエットが浮かび上がった。


ドラゴンですって?

まずいわね。そんなもの、私まだ魔法使えないのに。とリエルが言った。


ここは僕に任せて!

2人はどこか安全な場所に避難してて。

とミッシェルが叫んだ。


キサラギミカとベーカリー、ミッシェルとドラゴンの戦いが始まろうとしていた。





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