第16話スリープの脅威

やったね!

リエル、お疲れ様!


ありがとう。ミカのアドバイスなかったらやばかったわ。とリエルと勝利の抱擁をした。


スリープ解除!

と遠くから声が聞こえた。


別の魔法使いかな?

スリープ解除してくれる人いるんだ。と私は思った。


はっ、私負けたのね。でも、待ってよ。ちょっと審判! とマリーネが審判に詰め寄った。


ガブリエルが仲間にアドバイス貰ってたわ。あれ反則よね?


確かに不正な気もしますね。

と審判が呟いた。


ちょっと待ちなさい。あなたこそ、召喚魔法でモンスター使ってるじゃない。2対1の反則よ!

とリエルが反論した。


そんなの問題ないわよ! あれは魔法で作ったものだから、私の一部よ。とマリーネが続けて反論した。


2人が睨み合っていた。


構わん俺が許す。

アドバイスは問題ない。召喚も問題ないと王様が怒鳴る様に言った。


ちょっと審判に聞いてるのよ王様。王様が勝手に決めるなら、審判いらないじゃない。とマリーネがもっともな反論をした。


俺がルールだ。審判は飾りだ。文句があるならお前を喰ってしまうぞ。と王様が怖いことを言った。


ちっ…マリーネは引き下がって、控え室に消えた。


さてと…ええ解決しました。とアナウンサーが声を震わせて言った。観客席も暗い雰囲気になった。



では第4試合を始めます。

魔法少女ガブリエル対盗賊ベーカリー!

とアナウンサーは冷静に実況した。


もう始まるの?


少しは休めさせてよ。と2回戦目とは打って変わってリエルが呟いた。


あの対戦相手の人見た事ある。魔法のじゅうたんに乗ってた賢そうな人だ。


おや、子供が相手ですか? 参りましたね。傷つけずに戦わないとですね。とベーカリーは言った。


子供と侮ったあなたの負けね。まぁせいぜい手加減して私に負けなさいね。とリエルが疲れてる様に言った。


連戦で疲れてるんだと私は感じた。


始め!


ファイアーボール!

リエルが唱えた。火の玉がベーカリーに向かっ行った。


ベーカリー!

なんと凄い、疾風の如く避けた!

とアナウンサーが吠えた。


アイシクルフローズン!

連発した氷の刃を、ベーカリーは瞬時に避けた。


速過ぎて魔法が当たらない。戸惑う様にリエルが言った。


なら、ドンムーブ!

動きを止めようとしたリエルだった。


しかしそれも避けた。ベーカリーは瞬く間にリエルの背後に立った。


リエルが後ろを振り返った。


その瞬間スリープとベーカリーが唱えた。


リエルは眠ってしまった。


勝者ベーカリー!


リエルが負けた。あの動きを封じないと。私は次の対戦相手にどう戦うか考えた。


スリープ解除!

私はリエルに駆け寄った。

リエル大丈夫?


はっ?

私ごめん。とリエルが泣きそうに言った。


大丈夫。私リエルの分まで頑張って勝つよ!

だからしばらく休んで、5回戦一緒に戦おう。


うん…ありがとうミカ。リエルが言って泣いてしまい、私は抱擁した。


絶対勝ってね。とリエルが優しく言った。


うん。もう王手だよ。対戦相手は。


王手? 何それ?

リエルが聞いた。


うん私おじいちゃんとよく将棋してて。

将棋って戦略考えてやるボードゲームなんだけどね。


なるほどね。そんなのやってるからあんた頭賢いのね。とリエルが言った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る