第15話激闘を制する者は
さぁ第3試合を開始します。
ここまで圧倒的強さを誇る、魔法少女ガブリエル対万能の魔女マリーネ!
とアナウンサーが絶叫した。
今度はロボットじゃないのね、リエル気をつけて。と私は不安げに言った。
あれなんであんたがここにいるのよ?
とリエルが聞いた。
それはこっちのセリフよ。私はクロノス様に言われたから来たのよ。とマリーネが説明した。
まぁちょうど良いわ、あんたの始末させてもらうわ。と言うか、あなた呪いとけたのね。続けてマリーナは言った。
そうよ。呪いがとけたからあなたには負けない。あんたもクロノスも倒すわ。
クロノスって誰だろ? お父さんの仇の人かな?
と私は思った。
始め!
ファイアーボール!
リエルがマリーナに放った。
マリーナは、ゴーレム!
と石の巨神を召喚した。
マリーナの壁になった、ゴーレムは粉々になった。
ズゴォーンとゴーレムに魔法がぶつかった衝撃音に私は耳を震わせた。
やるわね! ゴーレム一撃で倒すなんて、相当レベル上げたわね。とマリーネが言った。
あんたこそ、ゴーレムで防ぐなんてやるわね。
リエルが言った。
お互いの健闘を称える様だった。
でもあれくらったら私もひとたまりもないわね。と言ったマリーネの表情に、恐怖の顔が浮かんで見えた。
ファイアーボールと今度はマリーネが言った。
ファイアーボールとリエルも両手から出して飛ばした。
お互いの炎の塊がぶつかる。
ゴーン! 辺り一面に衝撃波が起こり、耳から、その大きな音が入り、その威力の凄まじさが伝わる様だった。
炎のぶつかりで煙が広がって、2人を覆い隠す様に広がった。
その煙がだんだんと薄くなっていき、2人の勇姿が見えてきた。
相殺された。私の威力も負けてないわね。とマリーネの表情は、先程と違い、自信を取り戻した様だった。
今のファイアーボール…手加減してあげたんだから感謝しないよ。とリエルが衝撃の言葉を発した。
え?
手加減?
ふざけないで…全力で来なさいよ。と言ったマリーネの表情は固かった。
分かった。ストームウィンド!
リエルがマリーネに答える様に言った。
風魔法か。ならタイタン召喚!
その竜巻を消すのよ。マリーネが言った。
ドンムーブ!
とリエルが叫んだ。
タイタンと私の動きを封じたの?
とマリーネが驚いて言った。
まずいやられる!
タイタンを薙ぎ倒す様に進んだ竜巻がマリーネを襲う。
終わった。マリーネ跡形もなく…とアナウンサーが言いかけてやめた。
早い、よく見て上。と小太りなロボットが制したからだ。
マリーネは空中を飛んでいた。
危なかった。動けないから地面から飛んだわ。とマリーネが言った。
ここから魔法駆使したいとこだけど…そんなに長く飛べないわ。一旦降りるか。とマリーネが言った。
やるわね。今ので降参するかと思ったけど。とリエルが言った。
まだ盛り上がって来たばかりだわ。それにあんた、召喚魔法は使えないのよね?
とマリーネが聞いた。
魔法の威力は上でも、総合的には私が上よ。
と言いマリーネは新たな召喚をした。
フェニックス!
とマリーネが力を込めて言った。
フェニックスが現れた!
神々しい姿、まさに燃え盛る炎、会場も暑さが伝わって来ます。とアナウンサーが述べた
。
ちょっとあんた、フェニックスは、やり過ぎよ。サラマンダーにしときなさい。
とリエルが説教口調で呟いた。
サラマンダーじゃあ、あんたに凍らせられて倒されるでしょうね。
だからフェニックスよ。並の魔法は効かないわ。とマリーネが言った。
ただフェニックスを出してほとんどエネルギーを使ってしまった。とマリーネが疲れた様に言った。
良いの? そんな情報教えて。とリエルが聞いた。
言ったでしょ? 勝ちは確定したの。さぁ行けフェニックス! 燃やし尽くすのよ。
フェニックスが、雄叫びをあげながら、リエルに向かって行った。
アイシクルフローズン!
何発も打ち、氷のシールドをリエルは作った。
無駄よ。フェニックスは、それさえも貫く。
とマリーネが言った。
パリーンとガラスが壊れる様な音が響いて、その音が観客たちの体を震わせた。
今のは時間稼ぎかしらね?
ガブリエルさんどこに行く気? 逃げ場なんてないわよ?
とマリーネが煽る様に言った。
息を切らしてリエルは私のところに来た。
ちょっとミカ、あのフェニックスを倒す方法教えなさいよ。とリエルが聞いて来た。
そんな簡単に倒す方法思いつかないよ。
けど、フェニックス倒すんじゃなくて、魔法使いの人、眠らせたりすれば良いんじゃない?
そうすればフェニックス消えたり、コントロール出来ないと思うの。それに相手疲れてるなら反撃あまり出来ない。と私はリエルに助言した。
さすが!
私の軍事様。本体をやれば良いのね。よしとリエルが言って、マリーネに向かって行った。
フェニックスが氷の壁をぶち破り、リエルに襲いかかる。
おーとガブリエル、空に飛んだ!
フェニックスが、ガブリエルの後を追う。とアナウンサーが言った。
ついて来たわね。いい子ね、アイシクルフローズン!
狙いは、マリーネよ。
とリエルが言った。
フェニックスは、マリーネに向かった氷の刃を防いだ。
その隙にリエルは地上に降り立ち、マリーネの目の前に立った。一瞬のことだった。
くっ、速い。マリーネが逃げ出そうとしたが、リエルがいち早く、魔法を唱えた。
スリープ!
リエルが唱えた。
うぅ眠い…マリーネが目を閉じ始めた。
なんとマリーネは眠り、フェニックスは姿を消しました! とアナウンサーが実況した。
激闘を制したのは魔法少女!
勝者ガブリエルだ!
アナウンサーが吠えた。
しばらく静粛が起こったが、王様が拍手をした。他の観客もそれに続いた。
素晴らしい余興だ。こうではなくてな。
世は満足だ。と虎顔の王様が言った
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