第13話闘技場前の戦略

リエルの表情は微笑んでいた。


私もリエルの喜びを見て嬉しくなった。


ガブリエルって本名で呼ぼうかな、と思うほど、どちらの名前も似合ってる。 


リエルは、私の手を取り2人でダンスした。

2人だけの世界だね。


おい!

早く用が終わったなら、王様の元に戻るぞ!


ムードをぶち壊す怒声が響いた。


何よもう、うるさい兵士だね。と私は心で愚痴った。


女王様にお返ししなきゃ。


良いのよ。それはあなた達に譲るわ。

その代わり、必ず助けてね。と言ってウインクした女王様はモデルの様に綺麗だった。



はい!

必ずとリエルが言った。


あなた達の瞳から純粋な事が分かるわ。あなた達に賭けるわね。と女王様が微笑んで言った。


女王様ともっと喋りたかった私達だけど、兵士に急かされた。残念と私は心で呟いた。



虎男の前に戻ってきた私達は、トーナメントの詳しいルールを聞いた。


ルールは特にない。なんでもアリだ。ただし、闘技場の外に出たら失格。まぁ観客席に行ったら負けということだ。


それと対戦相手は1人。お前たちも1人で戦え。ただし、5回戦は、2人で戦え。

負けたやつの復帰も認める。


ん?

お前、老婆はどうした?

何故子供がいる?


ふふん、私の本当の姿よ。変わったのは姿だけじゃないの。


魔法力も上がったのよ。


ふん、魔法が使えるのか。そいつは楽しみだ。しかし老婆から、少女ふふふ、食欲が湧くわい。


食欲?


いやなんでもない。では準備出来次第呼ぶぞ。


兵士闘技場控え室に案内してやれ。


はい!



兵士の後にまたついて行った。


控え室は狭い道の中に部屋があった。まるで両隣にマンションがあるかのようだった。



ねぇリエル私戦いで相手傷つけずに、戦う方法考えてた。眠らせる魔法とかない?


あるよ。教えてあげようか? 


やったーこれで遠慮なく戦える。

その前に闘技場の中、見に行こう。


そうね戦う場所を事前にチェックしておかないとね。


ううん、それもあるけど考えがあるの。私はリエルに言った。


私達は闘技場中に入った。


そこで私は最後の相手についての考えをリエルに話した。


最後の対戦相手2人で戦うってことは王様の信頼1番ある人だと思うの。


そうね。強敵に違いないわ。


だから事前に闘技場に罠仕掛けようとおもって。

戦いは、始まる前から始まってるんだよ。



ごにょごにょ。とリエルにだけ伝わる様に私は言った。兵士がついて来てないのは助かった。



なるほど。あんた頭良いわね。人生2周目じゃないでしょうね?


違うよ。少し照れて言った。リエルなりの最大限の褒め言葉だろうと思ったから。


じゃあ神童って呼ばれてたり?

彼女が質問した。


ううん、迷子ちゃんって呼ばれてるよ。

私はあだ名を伝えた。


迷子ちゃん?



なにそれ?

リエルが笑いながら言った。


そして2人で笑い合った。



ねぇリエル、王様みたいな虎と人が合体した様な人、他にいるの? 私は疑問に思って聞いた。



そうね、あの種族はそんなにいないわね。トラオ種族は体が丈夫なのよね。結構好戦的な種族みたいよ。とリエルが教えてくれた。



じゃあ、エルフとか、ゴブリンもこの世界にいるの? 好奇心が湧いて言った。


ええいるわよ。エルフは色んな人がいる。怖い人や優しい人。私たち人より、数段魔法が得意なのよ。とリエルが述べた。



えーリエルより得意なの? と驚いて言った。


それは…私と同い年ならどうかしらね? そんなに、いないんじゃないかしら。とリエルが答えた。


さすがリエルだね。リエルは学校今夏休みなの? この世界も夏休みあるのか聞いた。


私は大学休学中よ。おばあさんにされてしまってたし。復学しようと思えば出来るわね。

とリエルが言った。


えーリエル、私と同い年なのに大学生なの?

とまた驚いて聞いた。


ええ、小学校で学ぶ事なかったから飛び級ね。パパやママに教わってれば充分だったから。とリエルが述べた。



すごーい。頭良いんだね、と私は感心して言った。


まぁ…ミカには負けるけどね。他の子には負けないわ。

そうそうゴブリンの事も聞いてたわね。ゴブリンは性格温厚よ。けど、仲間意識が人一倍強いから、そこは気をつけて。


まぁ、エルフもゴブリンもここからかなり離れてるから、会うことはなさそうね。とリエルが教えてくれた。


でも会ってみたいな! エルフとか気になるよ。寿命はやっぱり長いの? 耳は長いの?

と続けて私は質問した。


寿命は、同じくらいね。むしろ体がそんなにエルフは丈夫じゃないのよ。


トラオ族と違ってね。耳は長いわね。ミカは会った事あるの? 

そっちの世界にはエルフいるの?

とリエルが答えて質問をした。


イメージだけで実際にはいないの。綺麗で耳が尖ってる。そんなイメージだよ。と私は答えた。



凄いわね。そのイメージ合ってるんだから、何かしら繋がってるのかしらね。この世界と。リエルが述べた。


分からない。難しいよ、そう言うの。と私は言った。

リエルは兄弟はいるの? 難しいので、私は

違う話題にした。


いないわ。一人っ子よ。けど、兄弟欲しかったわ。ミカはいるの? とリエルが聞いた。


私もいないよ。私もお姉ちゃんとか欲しかったな。と答えた。


私もお姉ちゃんがいれば甘えられたな、なんて考えるわ。でも素敵な友達が私には出来たから。とリエルが言った。


素敵な友達? と私は質問した。


あなたの事よ、言わせないで恥ずかしい。と彼女が顔を赤らめて言った。


えへへ。やっぱり、私だった。私も同じ気持ちだよ。と答え2人で仲良く魔法スリープの勉強をした。

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