第12話虎男の思惑

兵士の後について行った私達は大広間に案内された。

ここの床の石が黒く光って凄く綺麗。天井には、お金持ちの家についてる様な高級そうな電気がついていた。


大広間の中央に目線がいった。


そこには虎の顔をした巨大な人間がいた。

ゲームで王様が乗るイスの、巨大バージョン。赤の背もたれと周りが金色の飾りが付いてる。

それに虎人間が乗っていた。


お前たちか?

女王に会いたいとかいうのは。

虎人間が行った。


はい。そうです。合わしてくれますか?

と私は聞いた。


虎人間はニヤリと笑った。


見返りは何をくれる?

財宝?

力?

それとも…お前たちの命かな?


命はあげれません。


貰っても嬉しくないでしょ?

と私は考えて言った。


どうかな?

余興には丁度いい。お前たちが命を賭けている姿を見てみたいとも思うがな。


ここに元女王に会いに来た馬鹿者は、ただのひよっことは思えんのでな。


相当な力を持っているとみた。特にそこの老婆、ただ者ではないだろう?

と虎男は、リエルに指をさして言った。


まぁね良く分かってるじゃない。リエルは威張る様に言った。


面白い。なら闘技場のトーナメント戦をやろう。お前たちが5回勝てば元女王は解放してやろう。


その代わり一回でも負ければお前たちの命は頂く。それに元女王にもう用は、ないからな。王様が大きな手を動かしながら言った。


その一つ一つの動作が迫力ある。と私は少し怖がった。


でも相手の命を奪うのは嫌です。と私は言った。


ふん…あまちゃんが。ならデスマッチではなく、降参か相手がノックアウトしたら勝ちとしよう。


なら良いよ。その代わり女王様が無事か一回会わせて。と私は言った。


先に会ってリエルの呪いを解きたかったからだ。


構わない。が変な真似はするなよ。おい!

元女王の元に連れってやれ。と虎男はブリキの兵士に命令した。


はい!

とブリキの兵士は返事をした。


リエルやったね。呪いが解けるよ。


ありがとう、ミカ。

やっと元の姿に戻れるのかな。

とリエルが呟いた。


兵士の後についてってるけど、階段を降りたら

、暗い地下室のようなところに連れてかれた。



でもあの巨大な虎何か、裏があるわよ。絶対。

彼女が兵士に聞き取れない様に言った。



ここだ!

と兵士が怒鳴りながら教えた。


もうそんな大きな声出さないでよ。と私は心で愚痴った。


ここは少し汚い、牢屋の様なところだった。

暗くてじめじめしてて、動物園の檻の様なのが一列に何個かあった。


私たちを驚かす様な、何かが出てきそうなところだ。ここには長くいたくない。そう思わせた。



初めまして女王様、如月美果です。


誰?

きさらぎみか?

一応初めまして、私に何か?

牢獄越しに彼女は言った。


女王様は閉じ込められているのに元気そうだった。気丈な人なのかな? と思った。


はい、あなたを助けに来ました。

あとその…呪いを解く秘宝お貸し出来ないでしょうか?


私は単刀直入に聞いた。


いきなりすぎ、ちょっともう少し上手く言えないの?

リエルが慌てて言った。


女王様は私達の会話にウケたのかな?

笑っていた。


兵士が睨んでいたのとは対照的だった。


分かりました。簡単に言うと、助けてあげるから、秘宝貸しなさいって事ね。


良いわ。あなた達悪い人ではなさそうだから。


今貸した方が良いのかしら?


お願いします。と頼んで私は秘宝を借りた。

小さい緑の玉だ。そして手のひらサイズ。


早く貸してぇ。とリエルがせかした。


はい、と彼女に秘宝を渡した。


呪いが解けるよ。と彼女は言った。

眩い光がリエルを覆う。

その光はアニメの変身を思わせる様に服装まで変えていった。



やったわ!

元の姿に戻れた!

と満面の笑みで彼女が言った。


リエルがおばあさんから、魔法少女になった。

彼女は軽くダンスをして喜びを表した。


やったね!

と私は喜びながら言った。

少女に戻ったリエルは、凄い可愛い。と私は思った。


例えば、シンデレラの主役が似合いそうな女の子。優雅な振る舞いが、一段とそう思わせる。



これで魔法力倍よ。どんな敵でも倒してみせるわ。そう言ったリエルは、頼もしくて、素敵だった。






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