第10話 エピローグ

その後、しばらくたって。

この駅での出来事は話題になり、不思議なジンクスが生まれた。

そして、ジンクスの原因となった二人は今………。


その駅を久しぶりに歩いている。


「はやってるね」


「そうね」


「駅で逆立ちしてる女の子に男が告白すること」


「そ、そ、そうね」


こちらを見ず、明後日の方向を見ている萌花さん。


「大好きだよ」


俺は人がいようとも関係なく、自分の気持ちを表に出す。


「うるさい、黙って」


「本当のこと言っただけじゃんか」


「どうして、そんなこっぱずかしいことを言うの!」


「本気だからだよ」


俺は萌花をじっと見つめる。


「あんたのことやっぱ嫌い」


バシッ!


音が鳴るぐらい肩を思い切り叩く。


「そういうのは………」


うつむいた様子で、それで俺だけに聞こえる小声でつぶやいた。


「人前じゃなくて、二人きりだけでやって」


「可愛いよ」


「うっさい、もう恥ずかしい思いはこりごりなのよ」


ロマンチックなことにも憧れ、ちゃんと照れるようになった清藤宮萌花。

少し、変わっているけど、自分の世界を保ち、まっすぐに自分軸で生きる萌花があらためて大好きな自分の思いを確認し、幸せにする決意を俺は固めた。


「今度はパンツじゃなくて、君の幸せを守るよ」


「もう恥ずかしいからそれ言うのはやめて!」


これはそんな変な恋愛。

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変な恋愛~逆立ち少女とパンツを守る変態紳士 丸尾裕作 @maruoyusaku

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