第2話 ホワイトシェパード
レモンの散歩が日課になると、犬友達が出来てきた。
散歩中に何度も顔を合わせると、少しづつ話をするようになる。
お互いの犬の話をしたり、犬のおやつをあげ合ったりする程度だけれども、犬を飼う事に不慣れな僕としては、貴重な情報源だったりもする。
初めに仲良くなったのは大きなホワイトシェパードを連れた男の人だった。
レモンがそのホワイトシェパードを気に入ってしまって、凄い勢いで突進して、おしりの匂いをくんくんしつこく嗅ぐのだ。
「すみません!レモン!やめなさい!」
僕がリードを引っ張って引き離そうとすると、
「大丈夫ですよ。」
飼い主の男の人が優しい声で言った。
「うちの子はなぜか男の子にモテるんですよ。オスなんですけどね。」
「そうなんですか?うちもオスです笑。レモンっていう名前です。よろしくお願いします。」
「うちの子はピーターです。よろしくお願いします。」
「ピーターかぁ。真っ白で綺麗な毛並みですねー!」
僕はふわふわとしたピーターの真っ白な毛を撫でた。本当に綺麗だ。
「亡くなった祖母が飼っていたレモンを引き取ったばかりで、トリミングとか、どこへ行けばいいか迷っているところなんです。ピーターはトリミングはどこかへ行っているんですか?」
「ああ、ピーターは個人でトリミングをされている方へ頼んでいるんです。家まで送迎もしてくれて、一回6000円なんで安いほうだと思います。とてもいい方なので安心ですよ。ご紹介しましょうか?」
「え!本当ですか?助かります!」
自分で近所のトリミングサロンをネットで検索した相場より安いし、送迎までついているのは助かる。僕は車を持っていないから、トリミングサロンまではレモンを連れて歩かなくてはいけないから、少し距離があるところは辛いなあと思っていたのだ。
ピーターの飼い主さんは、戸田一希(とだ いつき)さんというらしい。連絡先を交換した。
「松田直樹(まつだ なおき)です。よろしくお願いします。」
僕も自己紹介した。
「それでは、トリマーさんに連絡入れてみますね。返事が来たら連絡させて頂きます。」
親切な方で良かった。
一つ懸案事項が減ったので嬉しい。
今日も散歩日和 ソイラテチーズケーキ @soylattecheesecake45
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