第4章
第18話
朝四時。
寝付けないままスマホを眺めていたら、いつの間にかそんな時間となっていた。
リオさんと喧嘩して早五日。殴られた頬の痛みは、すっかり引いていた。けれどその熱はまだ残っている。それが、あの日の出来事を忘れさせてはくれなかった。あれ以来互いに連絡を取り合っていない。店長からも特にメッセージが来ることもないので、向こうから接触を図ることはないのだろう。
学校はどうにか通い続けてはいるものの何をするにも身が入らない。このままじゃまずいという焦燥感だけが、この身を動かす原動力となっていた。
スクロールを繰り返していた手が止まる。それは往年のロックミュージシャンがまとめられた記事のリンクだった。
「……ダメだ」
見ようと思えばすぐにでも見ることができる。それなのに、彼女のことを思い出してしまって最後の一タップができない。自分がどれほど脆弱な人間なのか痛感してしまう。こんなことをしていても、何の解決にもならないというのに。今日だって講義はあるんだ。これ以上の夜更かしは致命的である。ブルーライトから目をそらし、俺は無理やりに夢の世界へと踏み入れるのだった。
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