第4話僕は馬鹿なんです
つくづく僕は馬鹿だと言う事を最近思い知る。息子の中学生の数学や英語など、宿題を教えているのだが、頭を抱える事がしょっちゅうある。それだけではない。病気になる前まで、貿易に関する第三者証明機関に勤務していて、英語で書類を作ったり、外国人オフィサーと英語で折衝していたが、その英会話のほとんどを忘れてしまった。
その時だって、外国船のオフィスで書類を作成していたら、糊が使いたくて糊を借りようとしたが、糊を英語で何と言うか?分からなかった。当時、スマホなんて無かったので、辞書を持ち歩いていたが、持ってくるのを忘れた日に限って、そんな事が起きる。
引き出しを探していると、あったので使わせてもらった。
また、今、カクヨムで「トリス教育委員会」を執筆しているが、小学生が解く難関中学入試問題を結構間違える。
良くこんな頭で、大学合格したことが不思議でならない。
僕は知らない事が多すぎる。
書く事は好きだが、文章力は無いし話の理論の破綻はもちろんの事、一人称、三人称が混ざる時すらある。
スポーツの事は分からない。
音楽の事も分からない。
「トリス美食倶楽部」を執筆しているが、以前は良く料理をしていたが、毎日包丁を持つ主婦の様に料理出来ない。
頭では理解しているのだが、作るには非常に時間と労力を必要とする。
仕事は出来ない方。会社には、2:6:2の法則がある。2割のエリート、6割の普通の人、2割のダメ社員。僕は、間違い無く2割のダメ社員。
しかも、大の大酒飲み。
始末に悪い。僕は25日で44歳になる。こんなオッサンは、ホントにつくづく馬鹿な男であることを反省する。
しかし、しかしだ。子供は中学生だがまだ反抗期がこなくて、パパ、パパと抱き着いてくるし、おじいちゃん、おばあちゃんは僕に何故か親しく話し掛けられ、会社では面白い男と認識され休憩中タバコを吸っていると良く声を掛けられる。
陰で文句言われていても、僕は全然構わない。だって、僕は仕事中唯一サングラスを掛けて作業する人間。
馴れ馴れしく、新人さんからもハヅルさん今日もビール?とか言われている。
それには、笑顔で「そうだよ」と答えるようにしている。
作業の一部で商品にする千羽鶴をみんなで交代で折り紙を折る。
今日なんか、さっきまで普通に折れていたのに、ゲシュタルト崩壊が起きて折り方が分からなくなり、苦労した。
僕は馬鹿であることは間違いない。
だけども、性格まで馬鹿になるといよいよ家族からは嫌われて最悪、離婚だろうし、会社でも1人ボッチだろう。
家族にも、周囲の人間にも優しく接することを心掛けている。
馬鹿は馬鹿なりに生き方を模索しているのだ。
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