第7話 吉原さんとお出かけ
小波視点
その夜。
ポツン。スマホから通知が来た。
俺に連絡してくるなんて母さんか健くらいしかいない。
だが、俺のスマホに映っているLEINの通知の件名は紀良だ。
思わず目を擦ってもう一度よく見たが、やっぱり紀良と書いている。
俺は深呼吸をしてLEINを開き吉原さんとのトーク画面を開いた。
紀良
「今週の土曜日水族館に行けますか?」
え?なんで俺と…?いやいや、流石に埋め合わせだよな?
斗也
「え?誰と行くの?」
心臓がはち切れそうだ。流石に2人でとか言われたら軽く死ねるぞ。
紀良
「えっと、高森くんと由紀ちゃんといこーよ!」
流石に2人はなかったか…。ちょっと期待した自分が悔しい。まぁ俺みたいな隠キャに振り向いてくれる人なんかいるわけないか。
斗也
「了解!詳細は明日聞くわ。じゃあまた明日。おやすみ〜」
紀良
「おやすみ〜!」
やっと終わった。今もまだ心臓の鼓動が聞こえてくる。やっぱり2人で行ってみたかった…。おっと夢を見過ぎたな。
明日は金曜日で学校があるので俺は早めに就寝した。
その頃の吉原さん視点
私は今小波くんにLEINを送ろうとしてる。何を送るかって話なんだけど
今週の土曜日小波くんと水族館に誘おうとしてるんだよね。
もちろんできれば2人で。私は10分くらい迷いながらやっとの思いでLEINを送った。そこから15分後既読がついた。
斗也
「え?誰と行くの?」
(うわー!何て言おう。高森くんと由紀ちゃんと行くって言うしか…。)
紀良
「えっと、高森くんと由紀ちゃんといこーよ!」
うわー!送っちゃった。2人で行けないや…。
斗也
「了解!詳細は明日聞くわ。じゃあまた明日。おやすみ〜」
紀良
「おやすみ〜!」
やっと終わった。今もまだ心臓の鼓動が聞こえてくるなぁ。やっぱり2人で水族館に行ってみたいな。それは夢の見過ぎか…。
明日は金曜日で学校なので私は早めに就寝した。
小波視点
「はぁー。」
伸びをして俺は6時半に起きた。
てか本当に明日本当に水族館に行くんか。
俺はそんな事を考えながらリビングのある1階に降りた。いつも通り母さんは忙しそうに仕事に向かう準備をしていた。
俺はそれを見て、洗面所に向かい顔を洗った。顔を洗い終えた俺は部屋に行き、制服に着替えた。そしたらスマホがポツンっと通知が鳴った。
俺にこんな時間にLEINしてくる人なんて母さんくらいしかいないが、昨日みたいなイレギュラーな吉原さんからのLEINだと思い、ワクワクしていると、通知には健だったので、少し萎えたがとりあえず返すために健のトーク画面を開き見ていたら、明日の水族館の事だった。
健
「明日水族館行こうって吉原さんから言われたけど、俺らは由紀連れて行ったら良いよな?」
確認のためだったらしい。俺は適当に
「うん。それで良いと思うよ。」と返しておいた。
学校に着き俺は相変わらず1人で机にうつ伏せていて、今日はやたらと視線を感じながら寝ていたが今日はなぜか誰かに名前を呼ばれた。
「ん?」と目を擦りながら声のする方向に顔を向け返事をすると
そこにいたのが見た事ない人で
恐らく先輩だろう。(ちなみにめちゃ顔イケメンだった。俺の敵笑)
俺は恐る恐る何の用事か聞いた。
「あの。俺に何か用ですか?」
「あぁ。ちょっと来てくれないか?」
「あ、はい。わかりました。」
俺はとりあえず呼ばれたので席を外すことになった。
教室のドアから出る時健がおり、
「あの先輩は気をつけろ」そう耳打ちされた。何を気をつけるのだろうか、普通に悪い人ではなさそうだが、健の忠告を聞き、警戒しながらその先輩について行った。
着いた場所は屋上前の階段で
ここに来る人なんてほとんどいなく
俺の警戒心はMAXまで高まった。
「ここに来て何の用ですか?あの先輩?はどちら様ですか?」
俺は最初に思っていた疑問を問いかけた。
そしたら先輩?は申し訳なさそうに
「それは悪い、俺はサッカー部キャプテン2-7の高木駿だ。ここに来てもらったのは最近話題の君に聞きたいことがあったからだ。」
サッカー部のキャプテンというと全国レベルのサッカープレイヤーで顔をイケメンで今でも月に10回は告られてるという、吉原さんに匹敵するほどのモテ男だ。
「そんなすごい先輩がなにを俺なんかに聞きたいことがあるんですか?」
「最近話題になってるというと、小波君の吉原さんとの関係性だよ。君たちは付き合ってるのかな?」
まさかの吉原さん狙いか。いやでも吉原さんに釣り合う男なんて高木先輩しかいない。
「いえ。付き合ってないですよ。」
だから俺は正直に答えた。
そしたら先輩は嬉しそうに
「わかった、ありがとう。」とこの場からすぐに離れて行った。
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