ひよこ、みんなに貶される。

「はぁ、えっと、天使、裏っていうのは?」


怒りを収めたライトさんが言う。


「えー、なんていうんでしょう?なんか私を見てくる目が……見下されてる感じで?『おめぇとは背負ってるものがちげぇんだよ、バーカ』的な」


「「「「……」」」」


「あ私なんか変なこと言った?」


「アカネちゃん、大変だったんだね」


「ていうかほんとにお前天使だったのかよ」


「それは証明できます。これを見てください!」


私はさっと伸ばした手から天使であることの証明書カードを、ぱっと出した。

それは蛍のような光を出してキラキラとしていた。


「あ、へぇぇ。そういうのあったんだね」


「はい‼」


「え?なんだよこれ。身長体重……あ、初恋の年と相手の名前まで書いてあ……」


「―――ライトさん?」


「悪かったって天使‼その鈍器を下ろせ‼」


「アカネちゃんストップ!さすがにパーティメンバーぶ〇殺しちゃったら笑えないからね⁉」


セナさんに宥められ、ようやく理性を取り戻す。

いや、ただしかし。


「え何これ」


じぃっとレオ君がそれを見ていた。


「いや返してレオ君⁉」


「へぇ、これすごいね。アカネの感じたことと思った事と、身体の成長がダイレクトにそのままこのカードに刻まれるんだね」


「へ、いや、何言って……」


「どうやってできてるんだろ。化学じゃなくてやっぱ魔法か。いやでもアカネは魔法あんま使えないし。このカード自体に強大な魔力が?いや、見たところそれも感じられない。それなら科学技術?もしそうだとしたら物凄い技術だ。少なくともこっちの世界ではないな。しかもこの瞼を瞑ってバグった写真なんて……。なんて精度が高い写真だ。ちょっと調べたいな……ああ、このカードの加工も―――」


え、泣いていいですか?

証明カード出したのは私だけど、まさかここまでいじられるなんて……。

しかも『瞼を瞑ってバグった写真』すら写真の制度の高さに飲み込まれてる。


ガチ泣きしてよろしいですね。

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