パーティーのお呼びでございます

朝、セナさんの畑に行くと、魔法の練習をする。

手紙に書いたとおり、噴水くらい、だけど、弱い噴水って感じだった。

前にセナさんが使っていたような水はどう考えても出せない。

ただ、少しだけでも上達したことが嬉しかった。


「ひよこ」


畑に水をまいていると、後ろから声を掛けられた。

ひよこ……と思い振り向くと、案の定ライトさんがいた。


(ライト君だと多分殺されるからね。さん呼びにしたよ)


「あっ‼久しぶりです!」


一応パーティーの先輩なので、ペコっと礼をした。


「何の用です?」


「この後8時から、パーティー全員で緊急会議をするからな。来いよ」


「なるほど、はい!わざわざありがとうございます」


「いや、セナに頼まれただけだから。別にひよこの為とかでは絶対ないから。神に誓って」


うん、それ嫌ってるって事でいいですね?


「ところで、ひよこってやめてもらえません?」


「なんで俺がお前に従わなくちゃならない」


不機嫌に顔をそらした。

一方私はぐにゃりとゆがんだ笑みを浮かべた。


「うぇーん‼ライトさんが酷ーい‼セナさぁ~ん‼あとで言いつけてやるぅ」


「分かった‼分かったから!」


うん。やっぱりこれは使える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る