置手紙。

『セナさんへ


最近セナさんは忙しそうで、全く話せないのですが、調子はどうですか?

私は、D.3の水魔法まで習得したんですよ。

それ、まだまだ噴水くらいなんですけどね。

早くセナさんに稽古を付けてもらいたいです。


それは良しとして、ここからが本題です。


今日、アイちゃんにセナさんが代表魔法使いだって教えてもらいました。

話してもらえなかったのは悲しいですけど、やっぱりすごいです。尊敬します。

もちろん広めたりしないので(そもそも言うような人はいませんし)、安心してください。


それで、ライトさんもなかなかパーティハウスに戻ってないとかで。

二人がたぶん、悪魔族について調べているんだろうな、とは分かります。

本当は、手伝わせてほしいんですけど、たぶん危ないからそんな事させて貰えませんよね。


なので、せめてもの思いで、セナさんが育てていた野菜たちに水をあげています。

丁度水魔法を使えるので、練習にもなって一石二鳥なんです。


私も私なりに頑張るので、セナさんたちも頑張ってください。


byあかね』


「アカネちゃん……」


置手紙を読んだセナは、驚きと嬉しさと戸惑いが合わさった、変な気持ちになった。


(とうとう、バレちゃったか)


アカネを信用していなかったわけではない。

でも、代表魔法使いだと知ったら、アカネが自分に親しんでもらえなくなることを心配した。

そんなこと、全然なかったんだけど。


ただ、もう一つ問題がある。

それはアカネがもっと自分を追い込むことだ。

代表魔法使いとパーティを組んでいる自分は、もっと強くならなくちゃいけない。


きっと、アカネは真面目だからそう思うだろう。

バレたからには、サポートしなくちゃ。



セナは、意外にも客観的にものを見ることができていた。

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