異変?

あれから、セナさんが毎日図書館に通うようになって、数日が経った。

毎日、朝起きたらすでにセナさんはいなくて、朝ご飯だけおいてある。

昼食も、気づけば置いてある。

夜は、ご飯の直前に帰ってきて、私のご飯だけ用意してくれて、上に昇って行ってしまった。


一方私は、セナさんに言われた通り、ずっと魔法の練習をしている。

ほぼ毎日アイちゃんが来てくれて、休憩の時はたくさん話を聞けた。


私は天使で、もとからロリ体系な種族だけど、こっちの世界だと、普通そういう人はいないらしい。

ただ、地球より「小頭声原発性小人症」が進んでいるらしい。

これは子供の姿から成長しない難病のそうだ。

それと、私はまだ顔も見たことのない、レオ君もその一人との事。

ちなみに、歳は私と同じ。


「えっ、じゃあアイちゃんって何歳?」


「あたいは14歳。アカネちゃんは13だっけ?あれ、今考えたらあたしが先輩……」


アイちゃん?目がキラッキラしてるではないですか⁉

気のせいですか。うん、そう思おう。


「アカネちゃん。あたい、先輩だよ⁉」


いきなり顔面がこちらに近づいてきてるではありませんか⁉

キラッキラで。


「アネキ、今後ともよろしくです……」


「なんだその頼りない声は‼」


「よろしくお願いします‼」


「ふふふふふ。いいでしょう」


キェェェ‼

悪魔‼

天使が悪魔になる瞬間を天使は見ました‼

キェェェ‼


まさか、本性は悪魔だったとは。

アネキ。怖いです!



一方、セナとライトは図書館で。

厚い魔導書を何冊も重ね、険しい顔つきで、なんども本を見返していた。


「ライトくん、これ」

「?」


ライトがセナの指さす文章を覗き込んだ。

数秒もたたないうちに、ビクッと肩が震えた。

やがて、顔を上げるや、ニッと口の端を上げた。


「ついに、魔王を倒せるかもしれない」

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