与えられたヒント

蒼天。ギャンギャンと降りつける太陽。フェニックスが通っていく。

さっきまで動かなかった指先に感覚が戻る。


「あれ?」


「あっ、目覚ました!」


「みんな?」


私を覗き込むのは三人。

アイちゃんとライト君とセナさん。

寝てた……?

じゃあさっきのは何だったのだろう。


「よかったよぉ。数分目覚まさないからさー」


「ええっ」


「ところで、アカネ。ちょっと」


セナさんは二人から数歩歩いて私に手招きをする。

慌ててたちあがり、そちらに向かうと、そっとささやかれた。


「地獄の狭間言ってたでしょ」


「な、なんで……⁉」


「光魔法使えるからさ。分かるんだ。ほかの人がかかってるの見ると。で、何があった?」


「実は、この前の、アイちゃんのお―――」


「あたいがどうかしたの?」


不意に、死角からアイちゃんの姿が。


「うあっっ。ううん。夢でアイちゃんとの打ち解けのシーンが思い浮かんで……」


「えっ、なんだ。もう過去の事だよ」


恥ずかしそうに視線を外すアイちゃんは、何一つ疑っていない。

ひとまず安心した。

「今日は引き上げようか」というセナさんの声で、とりあえず解散になった。


夜、夕食中にセナさんが突然、真面目な顔をして話しかけてきた。


「アカネ、さっきの続き聞かせて」


「わ、分かりました」


アイちゃんの姉を名乗るユイという人物のこと、光魔法がカギになること、設定文字について、そして人類の進化に「都合がいい」と言っていたこと―――。

すべて洗いざらい話した。


「なるほどね。アカネ、ありがと。ちょっと調べてみるよぉ。本めっちゃ読むとか、細かいの嫌いなんだけどなぁ」


私を安心させるように笑うと、外に出て行った。

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