設定文字?
あれ?戻っちゃった。
いくら「さよなら」といったにせよ、これは唐突すぎないか?
そこで、気が付く。もう、モンスターの足音がしない。
こんなタイミングよく―――なんてことではない思う。
たぶん、あの敵っぽいひとが「あなたのお陰で誤算が入りました」とかなんとか言ってたけど……それって、モンスターによる攻撃ってこと?
私がパーティーに加入したことで、私が異変に気が付いた。誤算ってことは、あの人たちはこの、セナさん、ライトさん、アイちゃんの誰かを狙っていたことになる。
一体、どうして……。
「設定文字、かな……」
ふいに、セナさんが呟いた。
「設定文字?」
「あの不思議な空間に呼び込むのには、莫大な魔力が必要。悪魔族だったら叶うかもしれないけどね」
「悪魔族って……」
さっきのような地獄の住居人だ。圧倒的なパワーを誇っていて、いくらセナさんでも
さっきの戦いで、セナさんの強さは十分分かった。だけど、上には上がいる、ってことなんだ。
「さっき言っていたように、進化の過程で失った機能などはあるけど、それでも最恐だよ。———で、設定文字っていうのは、悪魔族が不思議な空間に呼び出すときに使う、代償みたいなもの、かな?」
「基本的には、何が代償に?」
「うーん、ごめん、言葉間違えた。代償っていうか、設定……。とにかく、悪魔族が設定した言葉をいうと、その空間から全員抜け出すことができるんだよねぇ。これ以上のことは知らないけど」
「その言葉が「さようなら」だったってことですか。それ以外に抜け出す方法とかは……」
「空間を開いた悪魔を倒すかしないとだめだね。それ以外はない」
「そうなんですか」
悪魔族を恐ろしいと思う前に、なんで悪魔は強くて天使は弱いの⁉理不尽!と恨んだ。
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