敵登場‼

暗闇

「切り抜けた……」


「天使、お前何もしてないだろ……」


「すみません」


しゅんとする私。


そこに、女神の手が差し伸ばされる。


「まあまあ。この危険を察知できたのはアカネのおかげだし」


そうですよね。良かった!何かできて。


ヒュルルル


そう安心したのもつかの間。急に暴風がふぶいた。

目が開けられないほどだ。私はかろうじて立っていられるが、私より背が低いアイちゃんが心配だった。


「———え?」


一番先に目を開き、声を発したのはセナさんだった。

私たちも瞼を持ち上げる。

そこは、何もない世界だった。

一面真っ黒。

仲間たちがかろうじて見える。


それより先は、何も分からない。……視力では。


コツンコツン


ハイヒールの音がした。


「皆さん……なにか、います」


ゆっくりこちらに向かってきている。

それが何者なのか、全く分からないが……。


すると、一方向から、身に馴染む黒い控えめなドレスを着た、女性が現れた。


「「地獄の狭間はざま」へようこそお越しくださいました」


うふふ


不敵に笑うと、私のほうに近づいてきた。

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