最強。ただしドジ

「ふぅ~終わった~」


「なんか、手ごたえがねーな。護衛しかしてなかったからか」


「しょうがないよ、いつも私が———」


二人に、アイちゃんとともに歩いていく。

セナさんたちは、いつも通りの談話だろうけど、私にはなれないもので、少し気まずかった。


と、その時。


トトトトト


遠くから、足音が聞こえてくる。

それも、大量の。


「まだ終わっていません!」


「え?アカネ、どうしたの?」


「どこからか、大勢の足音が聞こえてくるんです!」


「嘘だろ⁉」


ライトくんとアイちゃんがびっくりしている。

一方セナさんは、スマホより大きな通信機を取り出して、誰かと話していた。


「リオ、この付近にモンスターの群れは?」


噂の、引きこもりで情報収集担当の人と話しているのだろう。


少しすると、セナさんがバッとこちらを見た。


「……アカネの言う通りみたい。北と東、それから南から、モンスターが来ているとのことだよ」


「でも、おかしいだろ。そんなに向かってきてるなんて……」


「あのさ」


ここで、黙っていたアイちゃんが声を出した。


「もしかして、さっきのおっきな音が関係してるんじゃないかなって、アイは思うよ」


「……あ‼あたし今日は張り切って、いつもより大きな威力の魔法つかっちゃった。てへぺろ」


「マジか……」


セナさん、見かけによらずおっちょこちょい……なんですか?

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