モンスター

「よぉーし、みんな、モンスター狩りにいくぞーっ」


帰ってきたセナさんが、みんなに向けてそう言った。


え?もう早速?

……セナさんってば、もしや脳筋……。


しかし、驚いたのは私だけだったのだ。


他のメンバーは半ば呆れ気味で、「またか」とか言ってそうな顔だった。

いつもこの調子ですか。セナさん。


「じゃあ、今日はAランクの敵をバッタバッタ倒してこう」


「ん?Eランクの聞き間違いですか……」


「Aランクだよ?今日は深めのところまで潜るつもり」


———すごい。ここまでの脳筋は初めてだ……‼

ちょっと、度を過ぎてるけど。


「あの。天使って激ヨワって知ってますか?」


「弱くないでしょ~?念のため、今日はちょっと深いところ行くだけだから」


「無理です。死にます。最初は普通の動物でいいです」


「いやいや。今日は、アカネは戦わなくていいよ。アイちゃんと楽しーく私たちの戦いを見ててほしいな」


「……そうだな。お前ら、今回は戦闘に手を出すな」


「は~い♡」


「分かりました……」


ライトくんと、アイちゃんのほうから、刺すような視線が私をとらえていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る