第17話 勿論、ちゃんと胸とアソコも拓馬に洗って貰うからね
夕食を終えてしばらくした後、俺は風呂場で湯船に浸かっていた。以前シャワーを浴びていた時にアリスが風呂場に乱入してきた事があったため、その対策として扉に鍵をかけている。
案の定前回と同様アリスが脱衣所にやってきたが、扉にしっかりと鍵がかかっているため風呂場には入ってこれない。
「……ねえ、拓馬。何で鍵かけてるの?」
「そんなのアリスが入ってこようとするからに決まってるだろ」
扉の向こう側から話しかけてくるアリスに対して俺はそう答えた。
「今回は違うかもしれないじゃん」
「扉をガチャガチャしながら言われても全く説得力無いんだよな」
アリスは何とかして鍵を開けようと試行錯誤しているらしくさっきからずっと扉を揺らしている。だが風呂場の鍵は割と複雑な作りになっているので外から開けるには特殊な工具でも使わない限り無理だ。
少ししてどう頑張っても鍵を開けられない事にアリスも気付いたらしく外が静かになった。ようやく諦めてくれたようだ。そろそろ出ようかなと思って鍵を開けた瞬間、全裸のアリスが勢いよく浴室に乱入してきた。
「諦めたんじゃなかったのかよ!?」
「へへっ、油断したね。拓馬が鍵を開けるまでずっと待ってたんだ」
なるほど、アリスは息を殺して扉の前でじっと待っていたらしい。その執念深さには驚かされるほどだ。アリスの全裸は既に見たことがあるため初めての時よりは動揺はしてないが、それでもかなり悩殺的だった。
「目の毒過ぎるから出て行ってくれ……って言っても出ていかないよな」
「よく分かってるじゃん、その通りだよ」
ならば俺が出て行くという手もあるが、どうせ以前のように邪魔されるに決まっている。だから諦めて受け入れる事にした。アリスは洗い場のマットの上に座ると口を開く。
「じゃあ拓馬には私の体を洗って貰おうかな」
「……えっ?」
なんとアリスは裸をなるべく見ないようにしようとしていた俺に対してそんな事を要求してきたのだ。体を洗うとなると裸を見る事はまず避けられない。
「ほら、早く早く」
「流石にそれはちょっと……」
ただでさえ下半身が反応しそうになっているのを理性で必死に抑えているというのに、そんな事になったらアリスの前で勃起してしまうのは不可避だ。
「やってくれないなら拓馬がベッドの下に隠してる
アリスがニヤニヤした表情を浮かべながらそんな事を言い始めたのを聞いて俺は固まってしまった。
確かにベッドの下にはネット通販でこっそりと買った成人向けの漫画や雑誌が隠してある。かなり巧妙に偽装して隠していたはずだが一体どうやって見つけというのだろうか。
そこまで考えた俺はアリスがブラフをかけているのではないかと思い始めた。ベッドの下は物を隠す定番の場所とも言えるため、ただ単にかまをかけているだけの可能性も十分あり得る。
そうだ、絶対そうに違いない。部屋の中を監視でもされてない限りは絶対バレないに決まっている。それならば話は簡単だ。
「えっ、一体何の事だ?」
しらを切る事にした俺は平静を装ってアリスにそう聞き返した。これで諦めてくれるのではないかと思う俺だったが、すぐに後悔する事になる。
「……ドスケベ幼馴染に射精管理された僕」
「!?」
アリスのつぶやきを聞いて俺は息が止まりそうになってしまう。たった今アリスが口にした言葉はベッドの下に隠しているエロ漫画のタイトルの一つだった。どうやらブラフではなかったらしい。
「淫乱委員長と俺の秘密の放課後プライベートレッスン、貞操逆転世界でイチャラブセックス三昧、義妹による義兄逆レイプ計画、爆乳双子姉妹に調教された俺の末路……」
「た、頼む。もう辞めてくれ」
エロ漫画のタイトルを何の躊躇いもなく次々と声に出し始めるアリスを俺はそう懇願した。これ以上は恥ずかし過ぎてとても耐えられそうにない。
「私の体を洗ってくれるなら辞めてあげてもいいけど?」
「分かった、言う通りにするから」
「素直でよろしい」
アリスは勝ち誇ったような表情をしていた。それに対して俺は今すぐ消えてなくなりたい気分になった事は言うまでもない。
完全に逆らえなくなってしまった俺はアリスの背中を洗い始める。最初はタオルを使おうと思っていたのだが、手で直接洗って欲しいと言われてしまったためそうせざるを得ない。
女性の体を洗った事など当然あるはずがないので、完全に適当だ。アリスの白い肌は非常に柔らかかったため理性が色々とやばい事になっている。
「ありがとう、背中はもういいよ。次は前を洗って欲しいな」
「ひょっとして前って全部か……?」
「勿論、ちゃんと胸とアソコも拓馬に洗って貰うからね」
その発言は死刑宣告も同然だった。今までは背中だったから何とか耐えてこられたが、胸や女性器まで洗うとなると絶対に耐えられない。
つい具体的な場面を想像してしまい激しく興奮する俺だったが、突然何かが込み上げてくるような感覚とともに視界が真っ赤になってだんだん意識が遠のき始める。
アリスが驚いたような顔をしているが、俺は自分自身に何が起こっているのかを全く理解できていない。興奮のし過ぎで鼻血を盛大に吹き出して失神した事を俺が知る事になるのは少し後の話だ。
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