第2話 耳掃除
//SE メイドがベッドに座る音
「ほら、私の膝に頭をのせてください。……何を今更恥ずかしがっているのですか? 昨日だって、一緒のベッドで寝てたのに。気絶してたからそんな記憶はない? あっ、いえ、勘違いです! いいから早くしなさい」
//SE 膝に頭をのせる音→突然、耳を摘んで耳元でささやく。
「どちらの耳を切り落として欲しいですか?」
「おや、反応が薄いですね。この程度の悪戯は慣れてしまいました? 私がそんな事はしないと、それくらいに私を信用している証拠ですね……ちょっと嬉しいです」
「ですが、慣れというものは本当は恐ろしいモノです。普段心がけている安全に対する意識や姿勢を敵からしたら先回りしやすい状況を無意識的に作り上げてしまう……自分の玩具を見つけたような犬みたいな顔になってますよ、あなた」
//SE メイドが綿棒と梵天を取り出す音
「ふふっ、これが欲しいのでしょう? 先がふわふわの梵天と綿棒で耳かきしてあげます。……いつの間に買ったのかって? ネット通販でポチッと購入しました、もちろん複数人の仲介人を経由するので足はつきません。いつもの三キロプロテインも買い足しておきました。それよりも耳掃除はどっちの耳からがいいですか?……両方同時ですか、わがままな人ですね。……ぺちゃくちゃ喋ってないで早くしろ? 手元にコンクリートに穴を開ける振動ドリルがありました。先にダイヤモンドコーティングされた刃先が装着されています」
//SE ドリルを回転させながら耳に近づける音
「はい。謝って頂けたので許します」
//SE ドリルを止める音
「では、先に右耳を綿棒で……」
//SE 右耳の中に綿棒が入り、周りを擦る音
「奥が大分汚れています。やはり、ドリルの方が早そうです」
//SE ドリルを持ち上げる音
「耳掃除は私の手作業が丁寧で良い? ならば、仕方がないですね」
//SE ドリルを置く音
//SE 耳の中の綿棒を少し強く動かす音
//SE 綿棒を段々と早く動かす音
「大分汚れが取れました。では、梵天で耳周りを清掃後に挿入します。急に動くと脳みそまで貫通しますから動かないでくださいね」
//SE 梵天で耳周りを擦る音
「くすぐったいですか? 大分、綺麗になっていますから我慢してください」
「強めに優しく、思いやりを込めてですか? 注文が多いですね……」
//SE 梵天を耳の中に挿入、優しく動かす音
「最後に息を吹きかけて汚れを除去します」
//SE 右耳に息を吹きかける音
「右耳の掃除完了。聞こえ具合はどうです? あー、あー、偶には外食に行きなさい……毎日自炊もいいですけど、手の込んだ料理を食べて舌を鍛えた方が良いです」
「ほとんどがあなたの手料理ですので、家事の負担があなたに片寄るのも嫌ですし」
//SE 頭を軽く撫でる音
「左耳を掃除します。こちらを向いてください……この前のように、私の許可無く太ももの間に顔を突っ込んだら遠慮なく刺しますから」
//SE 頭を動かして、左耳を上にする音
「うーん……こちらも酷い有様です。自分で耳掃除とかしないんですか? 私がやった方が良い? 仕方がないですね」
//SE 耳の周りを綿棒で擦る音
「気持ちいいですか? 身体の緊張がなくなってきています。耳の中も失礼します」
//SE 綿棒が耳の中に入る音→優しく擦る音
「私は出会った頃と変わりましたか……はい? 胸のサイズが……」
//SE 耳の中を少し強く擦る音
「あなたは何処に注目してるんですか? もう……」
//SE 耳の中から綿棒を抜く音
「私……私達は産まれた時から人殺しの道具です。頭の中では効率良く相手を始末する方法が次々と浮かんできます。それこそ綿棒一本で何人殺せるか、どうやって死体を発見されずに処理するか……すみません。こんな考え方しか出来ない、私は壊れていますよね」
//SE メイドがベッドから立ち上がり、あなたが腕を掴む音
「腕を離してください……さっさと続きをやれって……ふぅー、こういう展開でそんな事ないよとか、気の利いた事は言えないんですか? だからモテないんですよ、あなたも壊れてますね」
//SE メイドがベッドに座り直す→膝にあなたの頭をのせる音
//SE 梵天で耳の周りを擦る音
「私達、似たモノ同士という事ですか? なんですか、その顔は……ムカつくので強めに梵天を突っ込みます」
//SE 耳の中を梵天で少し強く擦る音
「ほーれ、ほーれ……おやおや、腰が浮いて来ましたねー、あなたは耳が弱点でしょう? あなたの弱いところは知り尽くしていますから」
//SE 梵天を早く動かす音
「むぅ、耳の中がもう綺麗になってしまいました……息を吹きかけます」
//SE 息を吹きかける音
「耳の清掃完了です。……あなたは休んでいてください、外にゴミが集まって来ていないか確認してきますね。大丈夫、私は結構強いので」
//SE メイドが扉を静かに開く音
「すぐに戻って参ります」
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