第15話 私とサラナ➁

「ふぅ、今日もいい天気ですね、こういう日はのんびりと過ごすに限りますね、うふふっ、あははっ、あははっ!」

と一人で笑っているのはサラナだ。

しかし、その目は笑っておらず、むしろ獲物を狙う肉食獣のような鋭い眼光を放っていた。

彼女は何かを企んでいるようで、時折ニヤッと笑みを浮かべている様子が見られた事から嫌な予感を覚えた彼は身構えたのだが、時既に遅しであった。

突然背後から抱きつかれたと思ったら、そのまま持ち上げられてしまい、抵抗しようにも力が入らずにされるがままの状態となってしまったのだ。

「な、何をするんですか、やめてください」

そう言って抵抗するも虚しく、そのままベッドに運ばれて押し倒されてしまった。

「ダメよ、逃さないわ、貴方は私の物なんだから、誰にも渡さないわよ」

そう言って迫ってくる彼女に恐怖を感じた彼だったが、既に逃げ場は無くなっていた為にどうする事も出来ずにされるがままになってしまった。

翌日から私はサラナに監禁されてしまう事になった。

(あぁ、今日も一日が始まるのか)

と思いながら起き上がると彼女はニッコリと笑った後でキスをしてくるのだった。

「おはようございます、ジェシック様、本日も一日よろしくお願いいたしますね」

そう言って深々と頭を下げてくる彼女の態度はとても従順なもので、好感が持てるのだが、それがかえって不気味さを感じさせる要因になっていたりする。

しかし、そんなことを考えている間にも彼女は近づいてきて耳元で囁くように言うのだ。

「さてと、今日は何をしましょうか? 私は何でも構いませんよ、あなたの望むままにさせてあげますから、遠慮せずに言ってくださいね」

そんな問いかけに対して答えた内容はこうだった。

「特に無いのでいつも通りに過ごさせてください」

と答えると不思議そうな顔をしていたもののすぐに笑顔になって頷くと、部屋から出て行ったのでホッとしていると不意に後ろから声をかけられたのである。

「ねえ、どうして嘘をついたのかしら?」

振り返るとそこには怒りに満ちた表情を浮かべたサラナの姿があった。

彼女の目には明らかに殺意が込められているように見え、その迫力に圧倒されて何も言えずにいると、

さらに距離を詰めてきて問い詰めてきたので観念して本当の事を話す事にしたのだが、それを聞いた途端、彼女は一転して笑顔になり、

とても嬉しそうにしていたんだ。

その後、二人で別荘の中を散策しながら過ごし、昼食の時間になると食事の準備を始めた。

彼女が作った料理はどれも美味しくてつい食べ過ぎてしまいそうになるほどだったが何とか我慢して残さず平らげた。

そして午後からは昼寝をする事になったんだが、その時に彼女に膝枕をしてもらうことになり、

緊張しつつも身を委ねると優しく頭を撫でられて幸せな気分に浸ることができたんだ。

翌日、目が覚めると既に彼女は起きていたらしく、キッチンの方からいい匂いが漂ってきたので

行ってみると彼女が朝食の準備をしていたんだ。

彼女の手料理を食べた後、しばらくのんびりした後で一緒に散歩をすることになったんだが、

その際には手を繋いで歩くことになったので少し恥ずかしかったものの、それ以上に嬉しさの方が勝っていたこともあり終始笑顔だったように思う。

そして夕方になり別荘に戻ると今度はお風呂に入る事になったんだが、ここでも彼女に服を脱がされて素肌にされてしまった後で洗いっこをする事になったんだが、

その際にお互いの胸を押し付け合うような体勢になってしまい、ドキドキしながら体を洗う事になったんだ。

その後も、寝るまでの間、ベッドの上で語り合ったり、他愛もない話をしたりして過ごしていたんだが、

その途中でキスされた事がきっかけで彼女と結ばれることになったんだ。

その夜は朝まで愛し合い続けてお互いを求め合い続けた結果、疲れ果てて眠ってしまったわけだが、

目が覚めると目の前にサラナがいて笑顔を見せてくれたので安心した気持ちになりつつもう一度眠りに就くことにしたのだった。

それから数日間、彼女は毎日のように求めてきたため体が疲れ切ってしまったものの幸せな気分に浸ることができたと思う。

しかし、それも長くは続かず、とうとう耐えきれなくなってしまい、つい彼女から逃げ出そうとしたのだが、

すぐに捕まってしまい再び監禁されてしまう事になったんだ。

それからというものの毎日同じことの繰り返しで飽きてきた事もあり、

何とか脱出を試みる事にしたのだが結果は失敗に終わったものの諦めずに何度も挑戦した結果、ついに脱出することに成功したのである。

その後、どうやって帰るか悩んでいたところサラナから通信がかかってきた為、

恐る恐る出てみると彼女からの呼び出しであったので行ってみることにしたんだが、そこで彼女が私にかけた第一声が、

その言葉はあまりにも予想外で驚きを禁じ得ないものだった。

なんと、私に告白してきたのである。

しかも、その相手は私本人であったのだ。

いや、違うんだ!

それは私の方じゃないんだと説明するが聞き入れてもらえず、そのまま襲われてしまった結果、受け入れるしかなくなってしまったわけだが、

その際に私自身もサラナの事が好きだったのだと気付かされたので結果的には良かったと思っている。

以降、私は彼女と交際を続けながら楽しい日々を過ごしていったのだが、ある日、突然姿を消してしまった事があったんだが、

それから数日が経ってから再び姿を見せた時には以前の彼女とは違っていて驚く事になったのだった。

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