第12話 トラブル

しかし、私はその場で少し待機していた後、素早く動いて女の子達に声を掛けていく。

最初は人見知りもあってオドオドしていた彼女たちだったが、1時間くらい話し続けるとそれなりに打ち解けてくれたようだ。

やがて帰る時間になると女性陣は私にお礼を言い帰っていったのだが、男達はそのまま飲んでいて結局夜遅くまで続いたようだった。

そしてその翌日、私達は町を出てまた旅に出たのだった。

ちなみに馬車の御者は私が務めたので男共は、その横で楽しそうに話していたのだがそれが耳障りだったので

大声で怒鳴りつけたらおとなしくなったのでこれで良しとしようと思った私である。

しかし、それ以降もトラブルが絶えなかった。

私が横を通りすぎると、男共はいやらしい目つきで私を見てきたり、話しかけてこようとするのだが私は完全に無視していた。

だが、それも最初のうちだけでだんだん慣れてくると次第に無視するのが当たり前になってきたので、むしろ快適に過ごせるようになっていた。

そんな日々を過ごしながら、やっと次の町に到着した私達だったのだが、そこは今までとは雰囲気が違っていたのだ。

そしてその理由はすぐに分かったのだった。

なんと、この町では色違いの髪の色を持つ女性達しか存在しないという不思議な町だったからである。

しかし、私がその事に気付く前には既に遅かったようだ。

何故なら、既に私の容姿がこの町で異質なものとして見られていたからだ。

おまけに町の住人からは怪訝な目で見られてしまい、居心地が悪いったらありゃしない!

それでも、滞在期間だけは仕方ないので我慢する事にしたのだが、 やっぱりと言うか予想通りと言うべきか、

私達に声をかける男性達も多かった。

まあ、確かに見た目的には結構イケてるとは思うけどさ、さすがに中身は女性だって知ってるのにそれでも口説こうとするのはどうなの?

って思わずにはいられないよね? だけどまあ、今回は事前に手を回していたから何とか切り抜ける事が出来たけどね。

私達の女性達を中心に全員が男性達の視線を気にすることなく過ごしていた。

そして、彼女達が満足するまでデートを楽しんだ後は解散となったわけだが、次の日からは再び厳しい旅が始まる事になるのだった。

というのも、今回の旅ではかなりの長距離の移動を行う予定になっていたからである。

その為、食料や水などの準備を念入りに行った上で出発日を迎えた私達は一路目的地を目指して出発したのであった。

そんな訳で、歩き続けて4日目になる頃には早くも疲れが出始めていた。

それは私だけでなく女性達も同様であり、特に女性陣は辛そうな表情を浮かべている者もいて見ているだけで気の毒になってくるほどだった。

しかし、だからといって立ち止まる訳にもいかないので、私達はひたすら歩き続けたのだが、そんな中で思わぬトラブルが発生した。

何と、今までずっと平穏だった私達の道中に、突如敵が現れたのである。

それは、男性の姿をしているが中身は全く違うものだった。

彼の名はウィルト、女性の姿に化ける事が出来る能力を持った悪魔であり女性陣を狙ってきたのだ。

しかもその数は10人以上もいて非常に厄介だったのだが、私達は何とか応戦する事にしたのだった。

しかし、彼等との戦いは熾烈を極め、苦戦を強いられる事になってしまったのだ。

だが、ここで諦めるわけにはいかない私達は必死に戦い続けた結果、何とか勝利を収める事が出来たのだが、

代償として、何人もの女性達が犠牲になってしまった。

その中には勿論、私も含まれており私は仲間達と共に悲しみに暮れていたのだった。

しかし、それでも立ち止まる訳にはいかない私達は、目的地に向かってひたすら歩き続ける事にしたのである。

そんな道中で今度はとある人物と遭遇する事となるのであった。

その人物の名はマルティナといい彼女もまた女性だったわけだが、その容姿は私達とは異なり美しい黒髪の持ち主であり更に

とても綺麗な顔立ちをしていたことから同性である私から見ても見惚れてしまうほどだった。

そして、そんな彼女から声を掛けられた事で私達は戸惑いを隠せなかったのだが、

それでも彼女は親切に接してくれたので、私達もそれに応える事にしたのだった。

そして、そこからしばらく進んだところで再びトラブルが発生したのだ。

それは、盗賊による襲撃だったのである。

どうやら奴らの目的はお金だったらしく、私達は何とか応戦したものの、数の暴力には敵わず、結局は捕まってしまったのである。

それから先は地獄のような日々が続いたが、私達にとってはまさに生き地獄であったと言えるだろう。

何しろ、毎日の様に凌辱されるのだからたまったものではないよね。

しかも中には女の子に執着している男もいたりしてマジでキモかったし最悪だったよ……。

まあ、でも、そんなある日の事だったかな? ある男が助けにきてくれたんだよね。

そして彼は瞬く間に盗賊達を倒してしまったんだ。

それを見た私達は感動して彼にお礼を言ったんだけど、その時に彼が何て言ったと思う。

それは、私達はしばらく自分の所に来れば安全を保証するっていう内容だったんだ。

確かに、彼なら守ってくれるだろうし安心感もあったんだけど、流石にそこまでお世話になる訳にはいかないと思ったので断ろうとしたんだけど、

その前に彼に口説かれてしまったんだよね。

それで結局彼の家に居候する事になっちゃったんだけど、そのおかげで生活も安定して私達は幸せになれたんだ。

ただ、やっぱり彼女達の中にはウィルトに強姦されたトラウマが残ってる子もいたから彼を警戒する子も居たけど私は大丈夫だと思ったし彼を信用していたから、

彼の事を色々と話したりしていたんだけどね、ある時私がちょっと留守にしていた間に、何故か彼が女性陣に囲まれててさ。

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