第9話 私と貴女

「ひゃうんっ!? やっ、やめてくださぁいっ!」

「ん〜、やめない。それに、そんなこと言ってるけど、本当は期待してるんでしょ?」

図星を突かれてしまい、何も言い返せずにいると、今度は耳に息を吹きかけられたせいで身体がビクッと反応してしまい、

それを見た彼女はニヤリと笑うと、そのまま耳を舐めてきたり甘噛みしたりしてきて、

その度に変な声が出てしまう私だったが、それでも何とか耐えようとしていたのだが、またもやキスされてしまう。

そして、そのまま舌を入れられて口内を蹂躙されてしまい、されるがままの状態になっていたのだが、

暫くして解放された時には完全に蕩けきった表情になっており、息を荒げながらぐったりとしていた。

そんな私を見下ろしながら舌なめずりをする彼女の姿に背筋がゾクッとする感覚を覚えながらも、

これから何をされるのかという不安と期待が入り交じった複雑な感情を抱いていた私だったのだが、

そんな思いとは裏腹に、彼女は優しく頭を撫でてくれた後で額に軽くキスをしてくるだけだった。

そのことに拍子抜けしてしまった私が呆然としていると、今度はぎゅっと抱き締められて頭を撫でられてしまったので、

思わず甘えたくなってしまい自分から擦り寄ってしまう。

そうすると、彼女は嬉しそうに微笑んでくれたので、 私も嬉しくなって笑顔になるのだった。

そんな感じで暫くの間、幸せな時間を過ごしていた私達だったが、不意に彼女が真剣な表情になったかと思うと、

急に真剣な眼差しを向けてきた。

どうしたのだろうと思っていると、突然抱き着いてきて押し倒されてしまった。

「キスしてあげるね!」

と言って、そのまま唇を重ねてきたかと思うと、 舌を入れてきて濃厚なディープキスをされた私は、

抵抗する間もなくされるがままになってしまい、 それからしばらくの間、口内を蹂躙され続けて意識が朦朧としてきた頃になって漸く解放されたと思ったら、

次にこんな事を言われる。

「ジェシック、デートしましょう、いいですよね?」

正直、頭が混乱していて何が何だか分からない状態だったが、取り敢えず頷いておいた。

そうすると、嬉しそうな顔をした彼女は、私を抱き上げると何処かへと連れ去ろうとする。

そして辿り着いた先は、なんと噴水広場だった。

(えっ、ちょっと待って! なんでこんなところに?)

と疑問に思ったのも束の間、彼女は私を抱えたまま歩き始めると、そのまま人通りの多い場所まで行ってしまったので、

恥ずかしくて死にそうになった私は慌てて離れようとするのだが、ガッチリホールドされていて身動きが取れず、

結局最後まで抱っこされたままだった。

その後、降ろされた時には安堵感からか腰が抜けてしまい、その場にへたり込んでしまった私に手を差し伸べてくれた彼女が微笑みながら言う。

「ほら、もう大丈夫ですわよ?」

その笑顔を見た瞬間、胸が高鳴るのを感じた私は、思わず見惚れてしまっていたのだが、

慌てて目を逸らすと立ち上がり、その場から立ち去ろうとしたのだが、不意に手を掴まれてしまい、

逃げる事が出来なくなってしまった。

仕方なく振り返ってみると、そこには悪戯っぽい笑みを浮かべた彼女の顔があり、

その表情を見た瞬間に嫌な予感を覚えた私が身構えていると、案の定と言うべきか抱き着かれてしまった上に頬擦りまでされてしまう羽目になってしまった。

(うぅ……どうしよう?)

心の中でそう呟く私だったが、次の瞬間にはキスをされて口を塞がれていたと同時に舌が入り込んできて口内を舐め回されてしまい、

更には唾液を流し込まれてしまう始末であった。

結局、されるがままになってしまった私は、暫くしてから解放された時にはすっかり息が上がってしまっていて、

その場に座り込んでしまった。

そんな私を見下ろしながら舌なめずりをする彼女を見て、背筋がゾクッとする感覚を覚えた私は恐怖を感じつつも何故かドキドキしてしまい、

これから何をされるのだろうという期待感を抱いてしまっていた。

しかし、その後は特に何もされずに解放される事になったのだが、その際に彼女は耳元で囁いたのだ。

「今度またデートしましょうね?」

と言われてしまい、思わず頷いてしまう私だったが、ハッと我に返ると恥ずかしさのあまり赤面してしまったが、

同時に嬉しさが込み上げてきて自然と笑みが溢れてしまっていた。

それからというもの、私は彼女とデートをする事になったのだが、その度に色々な場所へ連れて行ってもらったり、

美味しい物を食べさせてもらったりと至れり尽くせりだったので、 段々と彼女に惹かれていく自分が居る事に気付いた時には既に手遅れの状態になっていた。

しかし、そんな時にある出来事が起こった事で、私と彼女の関係は一変してしまう事になるのだった。

それは、ある日の事だった。

いつも通り待ち合わせ場所である噴水広場で待っていると、そこに現れたのは見知らぬ女性だったのだが、

彼女は私を見るなり抱き着いてきた上にキスをしてきたのである。

突然の事に混乱していた私だったが、ふと我に返ると慌てて突き飛ばすようにして離れた後で睨み付けたのだが、

彼女は気にした様子もなく、それどころか、妖艶な笑みを浮かべながら私の事を見つめ返してきたので、

思わず見惚れてしまっていたのだが、そこで不意に声をかけられた事で我に返ると、慌ててその場から逃げ出したのだった。

「待って、どうして逃げるの?」

背後から聞こえてくる声を無視して走り続ける私だったが、その途中で腕を掴まれてしまい、

そのまま引っ張られるようにして路地裏へと連れ込まれてしまった。

抵抗しようにも力が強く、振り解けなかった上に壁に押し付けるようにされて身動きが取れなくなってしまった私は、

絶体絶命の状況に陥ってしまった事を悟り、諦めかけたその時だった。

不意に彼女が離れたかと思うと、 急に抱き着いてきたかと思えば、そのまま唇を奪われてしまったのだ。

(んっ!?  えっ、なんで?)

突然の出来事に混乱しながらも何とか逃れようとするものの、相手の力が強くて抜け出せない上に、

「んっ、んんっ、ちゅぱっ、れろっ、じゅぷっ、ちゅっ」

舌を入れられて口内を蹂躙されるような激しいディープキスを受けてしまい、

頭の中が真っ白になるような感覚に襲われていた私は、抵抗する気力すら失ってしまっていた。

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